追悼・Pierre Boulez
ピエール・ブーレーズ氏が亡くなられたそうです。私にとって、この方がベルリンフィルを指揮されたストラヴィンスキー「春の祭典」は、私のドイツ生活におけるひとつの大事件でした。あんなに色っぽい「ハルサイ」は他のどんな名指揮者の演奏にもありません。高校時代に「ハルサイ」を知りはまってしまい、体育の創作ダンスの音楽に一部分を借用したり、バーンスタインや小澤さんのレコードを買い集めたり、大学時代には指揮法の試験にホンの数小節間「ハルサイ」の断片が出題されて皆そのリズムに四苦八苦してましたが耳コピするほど聞き込んでた私には楽勝。そんな私がブーレーズの演奏に「ハルサイ」のイメージを一変させられました…。もちろん、本業の作曲家としての彼の作品も興味深くたくさん聴きましたが、残念ながら演奏する機会はこれまで巡ってきませんでした。ベルリンのWissenschaftskollegでレクチャーをされた時にはもちろん聴講し、終了後のレセプションの際にホンのちょっぴりですが直接お話をさせていただくこともできました。流石に共演の機会まではありませんでしたが…。天国で安らかにお休み下さい…いや、彼のことですから、天国でも改革の旗手として引っかき回すのかも知れませんけれど(苦笑)。