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ラクダ隊商隊長の西方見聞録

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ラクダ隊商の隊長

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2009.01.13
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ブランド・ダルワーザ門から中へ入りますと、そこは赤砂岩で造られた回廊がぐるりと周囲を取り囲む広大な中庭になっていて、その床もやはり赤砂岩の敷石がびっしりと敷き詰められているのですが、ここはモスク地区でありまして、この中庭を含む収容人員は1万人とも言われている、インドでも最大級の規模を誇るものなのであります。

と、そんな全体的に真っ赤っ赤な中にひとつ、なにやら白い瀟洒な建物が見えます・・・いったいなんなのでしょうか? もしかしたらお土産コーナーでしょうか? アクバルキーホルダーとかムガルクッキーなんてものを売っているのでしょうか?

いえいえ、そうではありません。

この白い建物こそ、アクバルに世継が生まれることを予言した、あのサリーム・チシュティーのお墓なのであります。

あー、なるほど・・・じゃあサリーム・チシュティーTシャツなんて売ってるかな?

だからお土産屋じゃないんだってば。

さて、そもそも聖者サリーム・チシュティーの予言的中を記念して(?)遷都されたこのファテプール・シクリではありますが、この廟は特にモスクの中央に建てられているというわけでもなく、配置図などを見ましてもなんだか中途半端な位置にあるのです。とかくシンメトリーを「良し」とするイスラム建築にあっては、ちょっと違和感を覚えないでもないのですが、実はアクバルはイスラム教徒でありながら、他の宗教の建築様式を積極的に取り入れた人でありまして、この中庭を取り囲む回廊などにも、石造りでありながら(インド伝統の)木造の柱や梁を思わせるデザインが施されていたりするのであります。
なので建物の配置におきましても、特に左右対称というものには固執しなかったのではないでしょうかねえ。

では、次はもっとヒンドゥー様式っぽい建物を見てみましょう。

​​​​​​​​現在インドの話題は「ラクダ隊商パインズクラブ」にて更新中です!​​​​





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最終更新日  2017.09.13 11:42:10



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