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2006.09.13
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カテゴリ:司書のお仕事
加害者の男子学生が、一部の報道機関に実名報道されました。
自殺した後で更生の可能性がないから、との判断だとニュースでいってました。
それに対して、図書館の中には実名報道された新聞や週刊誌を下げたり写真の部分を隠す動きもあるそうです。

図書館には、「図書館の自由に関する宣言」というものがあります。
簡単にいうと、
 1.図書館は資料収集の自由を有する
 2.図書館は資料提供の自由を有する
 3.図書館は利用者の秘密を守る
 4.図書館はすべての検閲に反対する
この4つが宣言されています。

今回は、2番目の「資料提供の自由」について問題になっているわけで、もう少し詳しくいうと
『図書館は、正当な理由がない限り、ある種の資料を特別扱いしたり、資料の内容に手を加えたり、書架から撤去したり、廃棄したりはしない。』ということです。

そして、その正当な理由で制限する場合というのが
 ・人権またはプライバシーを侵害するもの
 ・わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの
 ・寄贈または寄託資料のうち、寄贈者または寄託者が公開を否とする非公刊資料 です。

人権やプライバシー保護と、知る権利の問題。
何度も議論されている問題ですね。
このたび報道機関も図書館もまた、判断が分かれているだけに微妙なケースなのでしょう。

かけだしの私が、図書館としてどうすべきかとかどっちが正しいかという事は言えません。
というか、はっきり言ってわかりません。最終的には利用者個人の判断になるのかもしれません。

ただ、私個人が直感的に感じたのは実名報道に対する不快感でした。
法律的に問題があるとかないとかの理屈や議論の前に、そういう報道の仕方をする意味って
一体何なんでしょう??

加害者が死んだあとに実名を知って、一体どんな社会的利益が得られるのでしょうか。
ただの野次馬的興味が一時的に満たされるだけなのではないでしょうか。
そんなちっぽけな満足感に浸るために、いろんな大義名分を掲げて報道する意味があるのでしょうか。

いまは、情報が垂れ流しの時代。見たくなくても知りたくなくても勝手に情報が入ってきます。
だからこそ、自分のココロで感じた想いをちゃんと失わないようにしよう、と私は思いました。

ちなみに私のいる大学図書館では利用制限はしていません。





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Last updated  2006.09.13 11:32:23
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