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カテゴリ:面白かった本たち
田辺聖子の本を読むと、いつも思うんだけど
関西弁のおとこのひとが、すっごくセクシーに感じるのはなんでだろう。 それとも、関西弁は関係なくって田辺聖子が描くおとこのひとが、わたしのツボにことごとく ハマってくれちゃってるだけなのでしょうか。 「ジョゼと虎と魚たち」は短篇集なんですが、どれにでてくるおとこのひとも ちょっとダメで頼りなくって、だけど憎めなくて魅力的。 特にわたしは「それだけのこと」に出てくる、堀サンという彼が一番ヤバいなぁ。 チキという小さな人形で、主人公と堀サンはいっきに距離を縮めていくのですが、 堀サンは子どもの声音をつかって、チキと話すのです。 たとえば、こんなふう。 〈お兄たん、好きでしゅか〉 「あー、ま、そう」 「チキ。よせ。大人ぶり、すんな。」 なんて、堀サンはあわてたふうにいってチキの桃色のあたまをぺたんと叩いたり、しちゃう。 〈あいた。なぜたたくんでしゅか〉 「チキがよけいなこと、いうからや」 〈お兄たんこそ、聞いてほしいと思ってるのでしょが〉 「おい、やめろったら」 〈どうしてでしゅか。お兄たんはお姉たん好きなんでしょが〉 (※一部引用させて頂きました) こんなかんじで、直接聞きにくいこともチキに言わせちゃうの。 で、自分でつっこむ。 もうね、思いっきりツボです。 こういう人、弱いんだ~。 一方、この短篇集に出てくるおんなのひとたちはというと、 最後の解説で山田詠美が書いていたように、どれも自分にあてはまる部分があって なんだかちょっとナマナマしい。 自分の心の中にかくしていた部分を、ずばり言い当てられたような気持ちになります。 最近、すっかり隠居生活が板についてきた私にとって、一気にいろんな恋愛を擬似体験できて とってもお得感いっぱいな、そんな気持ちになれた一冊です。 あぁ、恋したいなぁ! ちなみに、蛇足ですがタイトルにもなっている「ジョゼと虎と魚たち」は 映画化されていて、わたしの好きな妻夫木くんが主演、音楽はくるりとなっています。 くるりのこの曲、いいんだー。 ジョゼと虎と魚たち くるりが全編音楽監修を務める映画「ジョゼと虎と魚たち」のサントラ盤 ビクターエンタテインメント くるり/ジョゼと虎と魚たち(Oirginal Sound Track) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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