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テーマ:病と暮らす(29)
カテゴリ:病と暮らす
先週からこの週末にかけて、いろんなことを感じた毎日だったけど、
楽しい思い出はもう少し自分の中でだけで独占しておいて、とりあえず今日は定期検診。 検診のあと、前の職場の方と久しぶりにお会いしました。 彼女は「戦友」。 同僚とか先輩後輩とかよりも、この言い方が一番しっくりくる気がする、うん。 あの辛い激務を共に戦った戦友だからこそ、固い絆で結ばれているのです(笑) だから、1年前、思わぬ負傷により一足先に戦線離脱してしまうときは、 彼女だけを最前線に残して脱走してしまう裏切り兵のような、 なんだかとっても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。 だけど決してわたしを「裏切り者!」と罵ることもなく、入院中はお見舞いにも 来てくださった方であり、唯一職場の中でわたしの病名を知っている人でもありました。 そう。わたし、職場の人にも友達にも、ほとんど病気のことを詳しく話してないんです。 今日、彼女とお話ししながら 「職場の○○さんが、Iamちゃんどうしてる?会いたいわ、っていつも言ってますよ」 と言われた時も、もちろんその○○さんにはお世話になったし、心配して頂いて有難いけど やっぱり会うのはちゅうちょしてしまうのです。 だって、会ったら絶対わたしの病気のはなしになるだろうし。 わたしの考えすぎだとは分かっているけど、相手の好奇心の目にさらされるのが怖い。 んだと思う、たぶん。 病名を言える人といえない人。 同じ友達や知り合いでも、どこかで線引きをしている自分がすごくいやらしい人間に思えて イヤなんだけど、なんだかわからない自分の防衛本能がそうさせるのだ、としか言えない。 そういや、ちょっと前につき合っていたバツイチの彼が、行列のできる法律相談所というTV番組を 「オレ、この番組だいきらい」 と、めずらしく怒ったような強い口調で言ったのを思い出した。 あまり離婚の時のことを詳しく話したことなかったけど、 その一言で、たぶんいろいろイヤな思いや辛い思いをしたんだろう、と想像できたし、 同時に、まだ彼の中で相当わだかまってんなー。と思ったもんです。 そして、わたしもまだ病気のこと、結構こだわってたんだなー。としみじみ感じてしまった。 おもえば、がんをテーマにしたドラマ、映画、小説もろもろその類のものは、 1年たった今でも観たくないですからねぇ。 いや、厳密には1人では観れる。意外と。 誰かと一緒に観たり、感想を言い合ったりができないんですよねー。 わたしは、幸いにして生死をさまよう手術をうけたり、辛い治療をしたわけではないので ドラマなんかで辛い日々を思い出すのがイヤ、という感じはあんまりないです。 それよりも、そういうドラマを同情的に、または冷静に観ている他人をみるのが、きつい。 これまた考えすぎだとわかっちゃいるけど、自分のことも「お気の毒」ふうにみられているようで たまらない。 とにかく、これも説明のしようがない自分のわけわからん防衛本能なのです。 そんなわけで、1年たってすこぶる身体は元気ですが、こころの傷(大げさ!)は なかなか元通りとはいかないわけで。 病気の話題が出るたびに、家族団らん中にいきなりエロシーンがでてきた思春期の子を持つ 親のような、そんな気まずい気持ちになるわたしなのです… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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