Ａｒｔ ｏｆ Ｌｉｆｅ研究所 プレイバックシアター　　　　　　

先週に引き続き、聾唖者の参加者が来てくれた。
ただし、手話通訳者は今回初めての人だった。
どうもわたしは、みんなが使う聾唖者という言葉に馴染めない。

きっとそこに、排他的な歴史的背景を、
勝手に想像してみてしまうからなのだろう。

むしろ聴覚障害のほうが、差別用語であったりする。

ま、この論議はさておいて。

いや、隠された事実として、このことが影響していたのか、
今日は、ショートフォームのジャックに取り組むことになった。

かなり丁寧に、実験的なエクササイズも取り入れた。

参加者が、子育て中のママたちということで、
共通の悩みも多い。

不特定多数の無責任な、
これこそが正義だと善意を持って言う不気味な声、
その社会を代弁するかのような状態を、再現してみた。

とても興味深い結果となり、
世間の声をするアクターも、その声を聞くアクターも、
見ている観客たちも、それぞれの内側がたくさん動くことになった。

内側で起こっていることと、外側で起こっている事実。

シェアタイムで、たくさん言葉が飛び交っていたが、
聾唖者の彼女の発言のときになると、手話通訳者が声に出す前に、
瞬時にわたしたちに伝わっているのが、印象的だった。

その表情、手の動きから、ダイレクトに感じられる。
この輪の中に彼女がいることは、他の参加者にとって、かなりの影響力だ。
「素晴らしい出会いと、こうして分かち合いができることが嬉しい」と、
シェアしてくれる参加者もいた。

終了後、先週からの途中参加者である、聾唖者の彼女を中心に、
質問タイムが始まった。

保育で子どもをお迎えに行く人たちは、
その場にいられなかったので、気の毒ではあったが、
すぐに帰れず、ずっと教室に残っている人たちと、放課後授業の始まり。

手話通訳の人には、聞きなれない言葉がたくさん出てくるので、
通常の手話通訳とは違って大変だったと思う。

ワークを振り返りながら、
たくさんの疑問や、理解を深めるための質問が相次いだ。

それを参加者の一人が、板書していってくれる。
音声よりもそのほうが助けとなることを知って、即動いてくれていた。

それは、わたしたちにとっても、わかりやすいものになった。
ちょっとした学びの輪が、またしても出来上がった。

気がつくと、１時間の講義。
みんな熱心だなぁ～～、感心する。
こういう受講者たちがいるから、補足解説にも熱が入る。

エンパワメントの本来の意味から、
ギリシャ悲劇まで、あらゆる分野にわたり、
プレイバックシアターのもつ可能性や、その威力について語る。

とても終わりそうにない。
これはとてもいい機会だった。
この質問インタビューをまとめれば、立派なレジュメとして、
参考資料として、きっと役立つに違いない。

Do→Look→Think→Groｗ

今、４年目を迎える子育てサロン。
今年は飛躍的にGrow する年なのかもしれない。