|
テーマ:日本の歴史(1070)
カテゴリ:古代史が好きで悪いかっ!
前回からの続きですが、今回は応神天皇陵についてではありません。 天皇家(古代)の歴史を知るには、 やはり天皇陵の調査が最も有効な方法だと思います。 しかし先の日記には 「調査目的で天皇陵を掘り返すことには反対」と書きました。 では、どうすればいいか・・・。 私たち一般人でも、 「調査のために、あなたのご先祖様の墓を掘り返しますよ」 と、言われたらいやなもんです。 しかし、天皇陵は古いものだと1700年前のものもあります。 文化財としても天皇家の祭祀の場としても、 整備・修復を要するものも少なくないはず。 宮内庁書陵部によって、それらは行われているのでしょうが もちろん公開はされません。 応神天皇陵などは百舌鳥・古市古墳群に属しています。 百舌鳥・古市古墳群は世界文化遺産の国内候補の暫定リストに入っており 今後は整備・修復の必要性が高まるかも知れません。 そういった整備・修復時に、宮内庁監視のもとで学術的な調査をする。 そのようなことは可能なのではないかと思います。 実は2008年11月、宮内庁管理の古墳の整備が公開されたことがあります。
公開されたのは堺市の御廟山古墳です。 陵墓参考地ではありますが、 仁徳天皇の妃を葬ったもの あるいは応神天皇初葬地とも言われる古墳です。 濠水の浸食によって崩落が進行している墳丘部・裾回りの修復のため、 宮内庁と堺市が共同で行った事前調査の実施に伴い公開が実現したのです。
このような公開が実現した理由のひとつは、 墳丘部は宮内庁管轄ですが、濠は堺市の管理・管轄だから。 公開は堺市管理の周濠に桟橋を作り、墳丘部周辺から見学する形でした。 かなり近くから墳丘部を見学することが出来、 場所によっては露出した埴輪に手が届きそうなほど。
宮内庁もこの公開には好意的だったようで、 見学者向けに説明板が設置されていたり、簡単な解説もありました。 こういう場所に学芸員や学者が立ち会うことが出来ればと思います。
このような場所が、周濠上の桟橋から見ることが出来たのです。 ここに学者が立ち入ることが出来れば、 少なくとも応神天皇陵の立ち入り調査よりはずっと成果が期待できると思います。 こういった調査は、以前は別々に行われていたそうです。 いわゆる「縦割り行政」ってやつですね。 この時の宮内庁と堺市の合同調査は、調査・工事の効率と経費面を考えてのこと。 お役所の仕事もすこしずつ進歩しているのですね。
. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[古代史が好きで悪いかっ!] カテゴリの最新記事
|