いましろ大王の杜(今城塚古墳)その2
さて、真の継体天皇陵と言われている今城塚古墳。最寄り駅はJR摂津富田。徒歩で約30分。または高槻市営バス奈佐原方面行き氷室より徒歩5分。近くにもバス停がありますが、どの路線なのか知りません。以前は「福祉センター前」というバス停でしたが現在は「今城塚古墳前」に名称が変更されていました。詳しくは摂津富田駅前の高槻市営バス案内所でお聞きください。 付近の大きな地図は → こちら(MapFanWeb)隣接の「今城塚 古代歴史館」では、付近の歴史や今城塚古墳から出土した埴輪、復元された石棺などが展示されCG映像で今城塚古墳や遺構、埴輪の解説が常時行われています。しかも常設展会場は無料です。甲冑の試着や、勾玉製作の体験コーナーもあります。古代史ファンなら半日くらいたっぷり遊べるでしょう。さて、この歴史公園で驚いたのは墳丘部です。 内濠だったところは、大部分が芝生広場になっています。今後いろいろと整備されて行くのでしょうが、内堤部は遊歩道になっていて、墳丘部全体を眺めることが出来ます。そして内濠部に下りるだけでなく、墳丘部も開放されていたのです。これには驚きました。鎌倉時代に盗掘にあい、戦国時代にはその名の通り城が築かれ大地震によって崩れたり、石室も石棺も破壊されしかも大量の土砂も無くなってしまっているとは言え天皇陵と推定される古墳なのです。墳丘部前ではさすがに緊張し、一礼してご挨拶を述べてから入らせていただきました。 後円部にあたるこの付近は、石組み遺構が発見された場所です。現在は埋め戻されているようです。古代史ファンとしてはゾクゾクするような体験ではありますが、同時にふと疑問にも思えました。 ここを訪れていたのは、ほとんどが歴史愛好家の方々と思われましたが子供たちの遊び場にもなっているようでしたし、早くもゴミがけっこう落ちていました。天皇陵であったかどうかはともかく、やはり高貴な人のお墓なのですからもう少し見学方法に配慮が欲しかったと思いました。しかし私個人としては、非常にありがたいことだと思いました。畏れ多い気持ちもありましたが、墳丘部に入る興奮の方が勝っていたのです。 前方部付近は、築造当時の様子を再現して内濠に水が張られていました。ただし、あまり深くはないようです。これならフナやブラックバスを放して釣りをしようなんて輩は出ないでしょう。整備前の濠では、けっこう釣り人の姿を見かけた記憶があります。 埴輪のレプリカも今後が心配ですし、墳丘部も荒らされてしまうような気がしないでもありません。古代史ファンで興味のある方は、自由に見学するのは今がチャンスかも。今後は制約や、立ち入り禁止部分が設定される可能性も考えられます。 古墳に隣接して建てられた「今城塚古代歴史館」そんなに大きな博物館ではありませんが、古代史ファンにとっては充分に見学する価値ありの場所です。 .