これは何故? と考え込んでしまった。小庭の鉢植えのガクアジサイのことである。いわば裏側になる一本の枝からふた枝に別れてそれぞれに花が咲いていた。しかし元枝は倒れているのではないが横這い状態だ。花の枝も下の方で日陰になっていた。そこで私は横ばいの元枝ごとまっすぐに立て、花のついた枝に支えをつけた。これで他の枝花にまじって日に当たるだろうと思った。
半日ほど経って、ふとその枝を立てたアジサイをみると、花も葉も萎れきっていた。「うん?」どうしてだろう。同じ株の他の枝の花も葉も生き生きしている。水もたっぷり与えている。しかし、私が良かれと思って立てた枝の花も葉もまったく無惨な状態だ。
理由が解らない。
私はしばらく理由を探って想像をめぐらした。
横這いに成長した枝は、無理やり立たせられたことによって体内揚水システムの能力不足のため水を吸い上げることができないのではあるまいか? ・・・これは仮説である。同じ株から出た枝であっても、生育の状態(あるいは状況)によって植物本能に能力差がある。・・・この私の仮説は本当だろうか? 今のところ私にエビデンスは無い。