能登の大雨被害には何とお見舞いの言葉を述べてよいか分からない。1月の地震でただ一本通じる道路が寸断され、そのためもあろうが今だに復興ができていなかったところに、この大雨被害である。このような地域の自然災害による大きな被害の復興について国交省はいかなる具体的政策をとっているのか? 地形的に困難な状況であることは理解できるが、しかし地震被害から8ヶ月も経って生活ができる状況にないということには疑念が生じてくる。仮説住宅に移った人たちが、再び新たな住居を見つけなければならなくなったようだ。救済策を策定するために国会議員が現地視察に駆けつけたという報道もない。尤も、かつて被災現場にふさわしい服装等の準備もせずにただ漫然と出かけて、濡れるのを嫌って県職員に背負ってもらった或るバカ大臣もいた。私が県職員だったならば、背負った大臣を泥水のなかに振り落としただろう。
この先も台風はやってくるのかどうか。
昨日も我が家近辺では一時的に雨が降った。前日は八王子市に大きな雹が降り、車を損壊するような被害があった。我が家はその八王子市と通りを境に向かいあっている。しかし八王子市は都内でも最も広い地区だ。その全域に雹が降ったわけではないので、我が家近辺は雷雨くらいですんだ。
そんな天候つづきで、あの長々とつづいた猛暑の日々も、きょうはようやく治って、秋の気配を感じた。
食卓に5種の初物が盛られた。栗、柿、蜜柑、梨、洋梨である。栗は茹でた。柿はもちろん我が小庭の柿ではない。大きくつやつやとした平柿である。蜜柑は鹿児島産、洋梨は秋田産である。そうそう、米は沖縄石垣島産の新米だ。
私は数十年の長きにわたって家族の毎日の3食をつくって来た。そしてできるだけ季節感を料理に盛り込もうとしている。しかし作物にあまり季節感がなくなって久しい。茄子も薩摩芋も年がら年中ある。胡瓜も夏の物ではなくなった。価格の高下はあるにしろ、作物が一年中豊富であることはまことにありがたい。とはいえ先日来の米が入手困難のニュースは、いつ何時日本の食糧事情を危惧しなければならない状況が襲ってくるかもしれぬ、油断はならないことを示している。訪日客が多いせいだなどと、バカなことを言って内実をごまかしてはなるまい。