一日中、なんちなく忙しく雑用に追われていた。
夕食後、ぼんやり休み、それからドキュメンタリー映画を見た。「2016年大統領選アメリカ分断の背景に迫る」という惹句の『アメリカン・カオス(字幕版)』である。
『アメリカン・カオス(字幕版)』
映画を見ながらヘミングウェイの掌編小説『The Revolutionist (革命家)』の一節を思い出していた。物語は1919年。ハンガリー人の内気な少年がイタリアから徒歩でスイスに向かおうとしている。少年は世界革命を信じていて、アメリカ人の〈私〉に一言二言話す。
In spite of Hungary, he believed altogether in the
world revolution.
"But how is the movement going in Italy?" he asked.
"Very badly," I said.
" But it will go better," he said. "You have everything
here. It is the one country that every one is sure of. It
will be the starting point of everything."
I did not say anything.
・・・スイス政府は少年を捕らえ、シオンに近い拘置所に入れた、と〈私〉は聞いた。それが最後だった。