急に寒くなった。北海道の一部ではドカ雪で1日の降雪量が60cmを越したとか。つい先日まで夏日だ猛暑だと言っていたように思うが、この冬はどうなることやら。
日本は四季がわりとはっきりしていて、俳句の季語のような文化が育った。しかし季語も時とともに変わって来ている。戦前の「季寄せ」が現在ではあまり役に立たない。植物に関する言葉にしても、戦前の「季寄せ」には農事関係の言葉がかんり多い。戦前はごく一般の家庭でも行われていたのであろうような畑仕事の言葉が、東京のような都会に住む者には今ではまるで夢のような言葉になってしまった。そんな昔の一般的な季語は情緒はあっても、現代の俳句に使えば現実味がなくなってしまうかもしれない。
尤も近年は、都会を脱出して自然に囲まれた土地へ移住する人もいるようだ。一方で、かつては自然と一体となって豊かな暮らしをしていたであろう村々が、すっかり廃村となってしまったところも決して少なくわないらしい。そのような廃村を巡って撮影した動画の放送もめずらしくない。どのような事情があって一村の全世帯が、言葉は悪いがまるで夜逃げしたかのように家を捨て、手塩にかけた田畑を捨てている。
このような過疎化は日本だけではないようだ。これは映画の中のことだが、『バウンティンフルへの旅』を観ると、昔の故郷が廃墟と化し、町の名さへ消滅している。アメリカの観客はこの状況を納得して観ているのだろうから、映画は現実を映し出しているにちがいない。
ところが今日のCNNがちょっとおもしろい過疎化が進んでいるイタリアの町の事情を伝えている。
過疎化を脱却する方策として、アメリカ大統領選挙の結果に絶望したアメリカ人にこの街への移住を呼びかけているのである。つまり空き家がたくさんあるので、そこに移り住んでください、というわけだ。
移住者に提供する家は3種類。① ITを活用してリモート・ワークをする人には無料で提供。② 修復が必要な家屋の販売価格は1ユーロ(約160円)。③ すぐにでも住める家屋は,最大価格10万ユーロ(約1600万円)。・・・もうすでに移住した人もいるようだが、この紹介サイトには現在、米国などから3万8000件の問い合わせがあるという。
ものは考え様ということか・・・
CNN「大統領選で失意の米国人に呼びかけ」