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カテゴリ:「神の子たち」四ノ宮監督
●『新作映画・そして僕自身のためのノート』連載第12回目
そして、2001年の9,11のニューヨークでの 同時多発テロ事件のあと、アフガニスタンでの報復攻撃へと続き、 僕の頭の思考停止状態は6ヶ月続いたが、 2002年3月末に映画上映ついでに「グランドゼロ」を訪れ、 「世界が平和になるために僕たちはなにをしなければならないのか」 との思いが急に湧き、「今の世界の中心はアメリカであり、 アメリカ政府が世界を変えようとしなければ何も変わらない」 事に気づき、僕の映画をアメリカ人に見てもらうための活動もしたが、 アメリカのメディアは他の国の貧困問題などに思いを寄せることは しなかった。(唯一ニューヨークタイムスが映画のレビューを 記事にして載せてくれた) いつの頃からか、僕の心の中は、 「世界の貧困はぜったいに変わらない」と諦めかけるようになり、 時たまテレビから流れる 「アフリカで起きた戦争や内戦などによる飢餓の子どもたち」 などのニュース番組を見てさえ、自分の心からその映像を 追い出してしまっていた。 それから、世界は、アメリカは、世界中のメディアは、 2003年3月20日のイラク戦争から今まで世界の貧困問題には ほとんど目もくれずに、置き去りにされ続けてきた。 僕の興味も「かわらない世界の貧困問題」から 「自分で体験したことのない戦争とは何なのか」に移り、 僕は、イラク戦争前にイラク入りしたが、 ほとんど撮影させてもらえず、恐怖も手伝って、 戦争前にイラクから逃げ帰ったことを今でも後悔している。 そして、4月5月6月と戦後のイラクに入るが、その後、 人には言えない家庭の問題が起きたため帰国、 現在に至るまで「戦争という状況」があまりわからない。 イラクでアメリカ軍として派兵されたフィリピン人兵士などから、 顔を隠し、声を変えての衝撃的なイラク戦争の実態が語られる。 (この戦争がいかに不正義によりしかけられていたか、 いかに多くのイラクの罪もない住民や子どもたちをも殺す命令が 出されていたかなどが具体的に語られる。また、この戦争には イスラエルの情報機関なども関与した可能性や、今でも戦争を わざと終わらせないような命令が出ているのではないかといった 疑問の声やその他の衝撃的内容が語られる) また、日本では、ほとんど誰も知らない911事件後の アメリカ市民の実態(イラク戦争でのアメリカ兵の死体は テレビに流れないことやアメリカの若者は麻薬づけも多く、 街にはホームレスが溢れていることなど)も語られた。 ~以上、四ノ宮浩監督手記、 『新作映画・そして僕自身のためのノート』より転載~ 【1】へ 前へ 次へ ★『(仮題)天国の子どもたち』公式HP http://sensotoheiwa.office4-pro.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月24日 01時07分45秒
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