国産紅茶の実力
国産紅茶って知ってますか? 今日、そのお話を娘といっしょに専門家の方に伺ってきました。 私たちが訪れたのは枕崎にある野菜・茶業研究所。 そこでおもしろいお話をいろいろ伺う事ができました。 鹿児島県はお茶の生産量では国内第二位です。 これはけっこう有名なことなんですが、 なんと40年前までは国内でもかなり大きな紅茶生産地だったんだそうです。 なぜ鹿児島が?? それは紅茶の木の特性にあります。 こういう話を聞いた事がありませんか? 「緑茶も紅茶もウーロン茶も木は同じ」 うーーん、ちょっとしたトリビア。 そう思った方は考えを改めてください。 ホントは違うんだそうですよ。 つまり「紅茶用のお茶の木」と「緑茶用のお茶の木」は別なんだそうです。 まず紅茶用の木の茶葉の特性として渋みが強いというのがあるんだそうです。 この渋みが強いというのは発酵を促しやすく、紅茶にしやすいんだそうです。 緑茶用の茶葉は渋みが少なく、紅茶にする為には加工に時間がかかりすぎて、 品質がおちてしまうんだそうです。 もう一つ、この紅茶用の木の特性として「寒さに弱い」というのがあるんだそうです。 緑茶用の木は寒さにはちょいとばかり強くて山形県あたりでも作られるそうですが、 紅茶はそうはいきません。 世界を見渡しても紅茶の産地って実は温かいところばかりなんです。 ですから温かい鹿児島県、それも南部の地域は40年前まで 国内紅茶の一大産地だった訳です。 なぜ40年前までかって? それは貿易の自由化とのからみがあります。 昭和44年に「紅ひかり」という紅茶用の木が開発されました。 そして「さあ、紅茶を作るんだ!!」となった二年後。 紅茶の貿易自由化で海外産の安い紅茶がどっと入ってきて・・・。 国内の紅茶は壊滅してしまうんです。 実は紅茶って全部手摘みなんだそうです。 それは今も海外ではそうらしくて、 安い労働賃金の海外には太刀打ちできないんだそうです。 今でも国内の紅茶は最高級セイロンティの3倍の値段なんだそうで・・・。 商売としてなりたたなくなってしまいました。 ただ、国内紅茶の品質はすばらしいものがあるそうです。 40年前にできた「紅ひかり」という品種は非常に飲みやすい、あっさりした紅茶です。 しかし、10年ほど前にできた「紅ふうき」という品種は、ちょっと違います。 これ、すっごいインパクトのある紅茶なんです。 もう、ぜったいマニア用。 ミルクティにしても負けないその個性。 本場イギリスの人には大変受ける、非常に高い品質の種なんです。 私も今日、その最高級紅ふうきをいただいてきました。 家ではほとんどしない紅茶の飲み比べってヤツです。 さすが研究所。 こーいう事の為の設備が整っています。 自然光を取り入れるための天窓の下に台があり、 そこに紅茶を入れる皿を並べます。 そしてその皿の前に番号の書かれた小さな、小さな急須。 そこに上皿天秤で量った3グラムの紅茶を入れます。 (これは紅茶を乗せるのとは別の、もう一つの皿に1円玉が3枚あったから確実だと思う) そしてぐらぐら煮立ったお湯を注ぎ、砂時計で3分間。 湯飲みに移して、スプーンで味見をします。 このスプーンもお湯であっためてあるのよねー。 今回、飲み比べたのは 1、「やぶきた」種(緑茶用)をむりやり紅茶にしたもの。 2、輸入紅茶(ウェッジ・ウッドのブレンドティ) 3.普通の品質の「紅ひかり」 4、最高級「紅ふうき」 この4種類でした。 飲み比べるとすごく違いがわかります。 まず、緑茶をむりやり紅茶にしたものですが・・・。 これはやっぱり紅茶のイメージよりも緑茶っぽい感じがしました。 輸入紅茶はうちでもよく飲む、あの味です。 「紅ひかり」はあっさりとしていて、渋みも少なくとても飲みやすいものでした。 問題は「紅ふうき」 これは凄かった。 渋みがどかーーんときます。 なんだか紅茶の成分がたっぷり入っている感じ。 で、香りもとても強いんです。 なんとうっすらと花の香りがします。 この香りは最高級品の証だそうで、上手にできたいいものだけが持っているものだそうです。 やっぱり、これはマニア用だなと思いました。 娘は最初「う・・・」と絶句していましたが、 なんとなく飲み続けているうちに「これは・・・」という顔になってきました。 本当にそういう雰囲気の紅茶でした。 そして、なんとこの「紅ふうき」は花粉症に効果があるかもしれないという そういう成分がたくさん含まれているんだそうです。 うまくいけば・・・なんとか機能性食品とかいうものになるかもしれないそうです。 すごいっ!! 今回の取材をしてつくづく灯台下暗しだなぁと思いました。 ホントは素晴らしいものがうずもれてしまっているなんてもったいない話です。 たまたま娘が新聞の題材に選んだ「紅茶」というテーマですが、 貿易自由化や地域振興などまで話がでました。 研究されている方のお話は必ずしも明るい展望ではありませんでしたが、 こういうものは紹介して日の目を見せてあげたいですね。 ++「紅ふうき」は見つかりませんでした(・・,)グスン++ 【国産紅茶】鹿児島紅茶 50g 《缶入り》 たぶん「紅ひかり」がベースだと思います。 飲みやすいですよー。丸子紅茶「紅ひかり」 「紅ひかり」を味わうならこれをどうぞ。 国産紅茶を見直しちゃうかも。お茶といったらスイーツ スイーツ限定お土産マップネット限定?!おもしろアイデアグッズconna