ストーンズの時代
1973年(昭和48年)と云えば、第4次中東戦争によるオイルショックでトイレットペーパー騒動が起こった年でした。今から51年前の話です。この年、もうひとつ大騒動が日本で巻き起こりました。イギリスのロックバンド「ローリング・ストーンズ」の初来日公演です。ストーンズの公演は前年の11月に発表され、12月1日に73年1月28日~2月1日までつごう5回、日本武道館での公演チケットの予約が開始されました。主催はウドー音楽事務所です。予約券は渋谷の東急百貨店で配布する予定だったのですが、前日から4,000人のファンが殺到。急遽東急の地下駐車場が待機スペースになる騒動。チケット代はS席の2,800円~C席の1,600円まで、55,000枚はアッと云う間に完売。ところが73年1月8日になって、突如、外務省がストーンズの入国拒否を発表するのです。理由はボーカル"ミック・ジャガー"の大麻不法所持による有罪判決が原因です。この突然の発表にファンはがっかりどころの話ちゃいます。ウドー音楽事務所でチケット払い戻しのとき、ストーンズのポスターを配布したそうですが、そんなモンで気が収まるワケないですわなぁ。タイミングが悪すぎます。日本公演予定の前年、1972年におこなわれたストーンズのアメリカツアーでたいへんな騒動あったばかりなんですから。第一に、このアメリカツアーでミック・ジャガーとギタリストの"キース・リチャーズ"は逮捕までされてるのです。逮捕理由は盗撮写真家への暴行容疑です。後に保釈されましたが、そのためボストンでのコンサートは3時間遅れました。そもそもストーンズは1966年にキース・リチャーズが、1967年には初代リーダーだったブライアン・ジョーンズが、そして同年ミック・ジャガーも全員が大麻所持で逮捕されてます。さらにアメリカツアーでは、ファンが加熱。ツアー初日には2,000人以上のファンと警官が衝突。ファンの中にはナイフやこん棒を持ってる輩、爆発物を持ってる輩、コンサート会場に無理やり侵入しようとする輩も。これに対して警察は増援部隊と騎馬分隊が出動し、派遣部隊は285名となりました。警官らは石や瓶の集中砲火、そしてバンクーバーの歴史で初めて火炎瓶の攻撃にまで直面したのです。この騒動で31人の警官が負傷しましたが、そのうち8人が病院に運ばれました。最も重傷を負ったのは脳震盪と肋骨骨折、それ以外にも手首骨折や脳震盪など、メチャメチャだったのですね。背景には3,000枚の偽造チケットが販売されてて、そのことが発覚したため、ファンが暴動を起こしたようです。そんなイロイロ騒動のタネで満載のストーンズですが、やっぱ偉大なロックバンドで、人気が衰えることはありませんな。ミック・ジャガーなんて2002年には音楽貢献でナイトに叙勲されてるのですから。この時代ってビートルズ・ファンが多い反面、根強いストーンズ・ファンも大勢いました。私も絶対ストーンズ派です。幻と消えた1973年のストーンズ初来日公演。それが現実となったのは1990年(平成2年)になってから。この年はソロとしてポール・マッカートニーも初の来日公演を東京ドームで開催してますから、外国人大物ミュージッシャンの当たり年だったのですね。ストーンズは、2月14日~27日まで、途中休演日も含めて10日間 東京ドームで公演をおこないました。このときもチケットの争奪戦は過激を極めました。それ以来、ストーンズの来日は1995年の東京ドームと福岡ドーム公演、1998年は東京ドームと大阪ドーム公演、2003年には日本武道館と横浜アリーナ、大阪ドームでの公演。2006年は東京ドームと札幌ドーム、さいたまスーパーアリーナ、ナゴヤドームで公演。2014年の東京ドーム公演と、すべての公演でチケット完売となったのです。それでは最後にストーンズ1965年のヒット曲「サティスファクション((I Can't Get No) Satisfaction)」でもと思ったのですが、どの動画もプロテクトがかかってるのかエラー表示で楽天でうまく再生できませんでした。リンク貼っておきますので、タイトルをクリックしてご覧ください。The Rolling Stones "Satisfaction" Live 1965 (Reelin' In The Years Archives)