『気楽なさとり方』
さとりとは、神秘的なもの、日常とかけはなれたものと思っていらっしゃるかたは、多いのではないでしょうか。 でも、この本では、さとりが技術であり、だれでも日常で練習すればさとれるということが書いてあります。 心の中の“牛(欲)”を見つけて、つかまえて、飼いならすというさとりの手順を、10のステップに分けて説明してあります。 私たちは、日々思考をしていますが、「自分」と「自分の思考」は違うものです。 この、考える働きを「マインド」とし、その働きの仕組みや内容が書かれています。 このマインドは強力で、欲によって動き、私たちに感情をももたらします。このマインドを、暴走しないように、操縦することが「さとる」ことだと、著者は言っています。 欲から自由になって、思考が順調に活動しはじめると、欲が、その絶対の対象としていた「自分」という概念も不要になります。したがって、自分が消えてしまいます。自分が消えると、もう完璧にこわいものはなくなります。何も心配がなくなります。至福が訪れます。 普通の人と、さとった人の違いは、思考が暴走しないこと、ただ、それだけです。 この本は、文章はやさしく、おもしろいのですが、内容は深く、哲学的であるともいえます。 何度でも読み返し、実践すれば、豊かで素晴らしい人生になることは間違いないと思います。 よかったら、読んでみてください。