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カテゴリ:プログレッシヴ・ロック
ジャンル的にはプログレに分類されることが多く、クリムゾンやフロイド、イエスなどにくらべると知名度は落ちるものの、その手はファンからは評価が高い。 もっとも、キースとジムが関わっていたのは最初の二枚のアルバムだけ。 その後は、女性ヴォーカリストであるアニー・ハズラムをはじめとした全く新しいメンバーによってバンドは引き継がれていく。名前だけを継承した再出発だ。 いわゆるルネッサンスとは、アニー・ハズラムとジョン・タウト(Key,Vo)を中心としたこの時期をさすことが多い。 本来の創立者であるキースが自分の弾くギターで感電死してしまう('76年)のとは裏腹に、彼らはシンフォニック・ロックの傑作を次々と発表していった。 新生ルネッサンスによる'73年の作品『Ashes Are Burning(燃ゆる灰)』(上写真)は、彼らの最高傑作にして、歴史的名盤といわれることの多い一枚。 中でも11分を超えるタイトル・ナンバーは姿勢を正して聴きたくなる一曲だ。 荒涼とした風景を思わせるSEの中、澄んだ音色のピアノと、アニーの清楚なハイトーン・ヴォイスが聴こえてくる。この出だしだけでも名曲の貫禄を充分にただよわせている。 ポップに広がっていくサビ部分はトラッド的な美しさに満ちたもの。美メロ愛好家の自分としてはツボを突かれまくりで、聴くほどにため息がもれる思いだ。 グループの影の立役者といえるマイケル・ダンフォード(←なぜかゲスト扱い)が弾くアコ-スティック・ギターも見逃せない。その音色は静かに、力強く楽曲をささえている。 中盤以降、曲はアニーのスキャットに導かれて、ハードにドラマティックに盛り上がる。ピアノとチェンバロのせめぎ合い。リズム・セクションもヘヴィだ。 が、あくまで気品と叙情性は失わない。そこが"シンフォニック"と言われるこのグループの個性か。 そして終盤で聴けるギター・ソロは、ウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルによるもの。 緊張感と透明感をあわせ持った素晴らしい演奏である。 文句なし。 プログレ、フォーク、クラシックなどの要素を彼ら流に格調高く昇華した仕上がりは見事。 グループ名通りの中世的雰囲気も漂わせたこの曲は、英国プログレの遺産と言っていいかもしれない。 アルバムはどれをとっても聴きもの揃い(※)だが、このタイトル曲のためだけでも購入の価値あり。 つーコトでまずは「Ashes Are Burning」を聴くのだ。 曲が長いため二つのパートに分かれています。 Part1はこちら。 Part2はこちら。 粒子の粗いジャケット写真も神秘的なものを感じるなぁ(´ー`) ※ ポム・スフレのメインHPでは、名盤『Ashes Are Burning』について取り上げています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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