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テーマ:洋楽(3357)
カテゴリ:90年代以降の洋楽
その時の第一印象は「素朴なネーチャンやなぁ」というものだった。 何万人という観衆の前でひょうひょうと歌う姿は、新人ながら足が地についているという感じでもあった。 新人とはいっても、彼女はこの時すでに32歳。 それまでもマイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンのセッションで仕事をしたり、デビューが決まってもいったん棚上げになっていたりと、なかなかの苦労人だったんですね。 なんとなく聴いてみた1stアルバムも「素朴やなぁ」という感じだった。 同時に、ルーツ・ミュージックに根ざしたシンプルで飾り気のない演奏は、地味ながら好感が持てるものでもあった。 自分と同じように感じる人が多かったのだろうか、そのアルバムからは地味~なシングル「All I Wanna Do」や「Strong Enough」が全米でトップ5に入るヒットを記録。 アルバム自体も大ヒット(全米2位)し、翌年にはグラミー受賞(三部門)というオマケまでつく。 好感は持ったがハマったというほどでもなかった自分は、その様を見てなんだか不思議な気持ちになった。 その三、四年前にはボニー・レイットの『Nick Of Time』が同様の現象を起こしているし、2002年にデビューしたノラ・ジョーンズもやはり似たようなブレイクを果たしている。 アメリカって「地味だけど良質な音楽をやるネーサン」に数年ごとにスポットをあてる国なんだなぁ、とコレを書いている自分は唐突にそんなコトを考えてしまいました(笑)。おっとと、閑話休題 で、今も第一線で活躍するシェリル姉さんは"ナチュラルな女性シンガー・ソングライター"のイメージが強いと思うのだが、もちろんそれだけではなく、ロックな彼女も悪くない。 自らの名をタイトルに冠した2nd『Sheryl Crow』('96年)は、シェリルのセルフ・プロデュース作で、彼女の"ロックねーちゃん"な一面が味わえるアルバムとなっている。 「If It Makes You Happy」はそこからの1stシングルである。 シェリルとジェフ・トロットの共作によるミドル・テンポのロック・ナンバーだ ざっくりしたギターの音色、サビ部分におけるシェリル姉さんのザラついた歌声がカッコいい。 メロディはポップで隠し味的なコーラス・ワークもナイス! カントリー風のリード・ギター、やわらかなアコギの音色もいい感じだ。 ハードでいて落ち着いた雰囲気も漂わせるこの曲は、全米10位、全英9位のヒットも納得の佳作となった。 この曲でシェリルは、グラミーの女性ロック・ヴォーカル部門を受賞し、その地位を確固たるものにしていく。 以後はグラミーの常連となり、90年代以後のアメリカを代表する女性シンガーになっていくのでした。 '06年の乳癌手術を乗り越えて、今年(2008年)には新作『Detours』も発表。 熱心なファンとはいえない自分ですが、ガンズ・アンド・ローゼズの「Sweet Child Of Mine」をアコースティック風にカバーする、この人の"ロック魂"には惚れています(笑 アルバム『Sheryl Crow』には、CMでも使われた名曲「Everyday Is A Winding Road」(全米11位)も収録。 中古屋でウン百円で売っているので、隠れたお買い得盤かもよ~ つーコトで「If It Makes You Happy」を聴くにはここをクリック! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.12 06:33:19
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