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テーマ:洋楽(3364)
カテゴリ:ビートルズ
昔の面影がなくなっても 忘れることのできない場所 良くも悪くも変わることのない場所 今ではもうなくなってしまった場所 今もまだずっと残ってる場所 それぞれの場所に色々な思い出がつまっている 今でも鮮やかに思い出せる恋人 友人と過ごした思い出が 中にはもう天国に旅立ってしまった人もいるけど 僕は彼等のことを生涯を通じて愛し続けてきた 僕に関わった人々や起こった出来事を 懐かしむ気持ちはいつまでも変わらない 時おり思い出しては追憶に耽ることだろう でも今 この人生で僕が何よりも愛するのは君なんだ ---ビートルズの作品中、あるいはジョン・レノンの全キャリアにおいて、僕がいちばん好きなのが「In My Life」である。 アルバム『Rubber Soul』に収録。 情緒あふれるメロディと演奏、シンプルにして哲学的響きを持った歌詞が素晴らしい一曲だ。 シングル・ヒットしたわけではないが、もっとも多くの人達に愛されているナンバーのひとつだろう。 ジョンの伝記映画『イマジン』('88年)のエンド・ロールで流れていたのもこの曲だった。 曲は、ジョンが子供の頃を回想しながら書いた長い詩を原型として作られた。 元の詩には"ペニー・レイン"や"ストロベリー・フィールド"なる単語も出てくるという。 レコーディングは、'65年10月18日と22日。 まずメンバー達が手持ちの楽器でベーシック・トラックを録り、次のセッションでピアノ・ソロがオーバーダビングされた。 出だしのギター・フレーズの切なくて美しいこと。 穏やかで心のこもった音色は何度聴いてもシミジミする。 ジョンのヴォーカルとポールのコーラスのからみも絶品。 その豊かなハーモニーの感触は、同アルバム収録の「Nowhere Man」と対をなすものであり、ビートルズの曲の中でも最良のひとつだ。 "間"を生かしたポールのベース、淡々としたリンゴのドラム・プレイも曲に趣(おもむき)を添えている。 サビ部分で鳴るシンバルが淋しげでとても印象的だ。 もうひとつ特筆すべき点は、間奏のピアノ・ソロだろう。 これを弾くのはプロデューサーのジョージ・マーティン。 なめらかで気品のあるプレイは、幼いころからピアノに親しみ、音楽院でクラシックの勉強をした彼ならではのもの。 ちなみに、レコーディングの際には技術的な問題もあって、原曲のテープ・スピードを半分におとしてオーバーダビングしたのは有名なハナシだ。 結果、完成バージョンではピアノの音が(二倍速になったため)妙に高くなり、チェンバロのようにも聴こえるのだが、これが曲をより格調高いものにしている。 それは、「演奏はバロック風で」という注文をしたジョンの思惑通りのものだった。 ユニークで美しい音色は、まさに"過ぎ去りし日々"を思い起こさせる。 ジョンの想像力とマーティンの技術的ノウハウ、そこに偶発性がからみ合って生まれた名演ですな。 なお、この曲に関してポールは「歌詞を書いたのはジョンだが、メロディを主に作ったのは僕」という発言をしており、「誰の作曲か?」ということで論争にもなっている。 個人的にはジョンの曲のような気がするのだが、今となってはもう真偽のほどは分からないだろう。 でも、そんなことどうでもいいじゃない、と。 歌詞やメロディはもちろん、素晴らしいハーモニーを持つこの曲は、ジョンとポールが一緒にいたからこそ生まれたのだから。 「In My Life...I Love You More」とやさしく歌われるエンディングを聴くたびに僕はそんなことを思う。 「In My Life」は、『ローリング・ストーン』誌の『最も偉大な曲500』("The 500 Greatest Songs of All Time") では23位、CBC の『50曲』("50 Tracks") においては2位に選出。 カバー・バージョンも数多く、クロスビー・スティルス&ナッシュ、ベット・ミドラー、キース・ムーン、アストラッド・ジルベルト、ロッド・スチュワート、オジー・オズボーンなど様々な人に歌われた。 ビートルズが演奏していたというキャヴァーン・クラブ(※)の入り口には、この曲の歌詞を彫ったボードが掲げてある。 どんな人間にも忘れられない場所や思い出があり、"たいせつな人"がいる。 僕もそうだ。 立ち止まり、振り返る。そしてまた前を向いて歩きだす。この繰り返しだ。 だが、どんな時でも自分の中で音楽は流れている。 今日の歌は「In My Life」だ。 さて、次は何にしよう。 -----ということで「ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科」は、 今回をもちましていったん終了とさせていただきます。 ブログを開設したのが2005年の6月7日。 記事の数は656件。 総計、約20万ヒット。 休止していた時期をのぞけば、約二年半の連載でした やり残したことはまだまだあるので心残りではありますが、ここらでひと区切りをつけようと思います。 今まで読んでくれた方々、本当にありがとうございました またいつの日かお会いしましょう。 その時まで"名曲大百科"のバトンは皆様にお渡しいたします。 これを見てくれている全ての人に幸あれ!\(´ー`)ノ つーコトでポム・ブログ最後のここをクリック! ご愛読ありがとうございました。 See You Someday...... ※ '84年に再建されたもの お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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