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カテゴリ:【POP!】のオススメ本
こんばんは、はんぺんです。 先日、ヨモ山さんにながらくお借りしていた『ピルはなぜ歓迎されないのか』(松本彩子著/勁草書房)という本をようやく読み終わりました。長い間、ありがとうございました。 世界から遅れること40年、日本では1999年に認可された低用量ピル。この本では「なぜピルはここまで認可が遅れたのか?」を、歴史的かつ行政、医学界、家族計画運動、女性運動といった多面的な視点から読み解いていく…という内容です。 「産婦人科医が中絶の利潤を守るために反対した」「政府が少子化を懸念して反対した」などの俗説を、ひとつひとつ丁寧に資料と照らし合わせていくことで、結局はなにかひとつの大きな原因があったわけではなく、その時代ごとにいろんな要因が絡みあってこじれて認可が遅れた…というのがよくわかります。ピルが認可されるまでの歴史はざっと知っていたつもりでしたが、この本を読んだらより理解が深まりました。 少し残念だったのは、ピルそのものについて誤解した表記があったところ。資料と向き合っている時の文章はしっかりしているのに、ピルについて著者自身が語る部分は及び腰で、「ああ、この人ってピルのことよく知らないんだろうな」と一読してわかってしまうんですよね。全体で見ればほんのわずかな部分なのだけど、ピルユーザーとして読むとざらついた違和感がありました(そもそも修士論文を書籍化したもので、ピルユーザーや一般女性を対象にした本ではないからいいのだろうけど)。 でも、資料としてはとても面白かったです。私も買っておこっと。 【お役立ち資料度】☆☆☆☆(☆5点中) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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