ローマでも、地元の定番の味を食べまくった。
ローマ料理には、大きく分けて3つの柱があるそうだ。
1つは、ローマやラツィオ州の農民料理。
もう1つは、“クイント・クアルト”料理。内臓料理のこと。
そして3つめは、ユダヤ料理。
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前菜のビュッフェは野菜が中心。
左上は、ブロッコロ・ロマーノ。
ローマのブロッコリーだ。
角のようにとんがった花序が特徴。
ブロッコロ・ロマーノの写真はこちら。
ブロッコリーとカリフラワーを足したような味。
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これもローマ野菜、プンタレッレ。
元の形はこちら→
苦みがあるので、水にさらしてあくを抜く。
このさらし具合が重要で、店によってほろ苦さとしゃきしゃきさがまったく違う。
この店のプンタレッレは、きゅうりのような歯ごたえと、甘味さえ感じる絶妙なほろ苦さが最高だった。
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中がスカスカのパン、ロゼッタ。
ローマだなあ。
プーリアとは、パンの味がまったく違う。
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ローマは魚料理もおいしい。
飛行機でローマの空港に到着すると、ローマの近くに海があることがよく分かる。
ティレニア海は、イタリアでも有数の漁場だし、首都だから、各地からおいしい食材が集まる。
これはメカジキのスモーク。
おいしい!
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ローマは名物パスタもたくさんある。
ペンネッテのアラビアータ。
正確には、ペンネッテ・アッラッラッビアータ。
二番目の“ラ”を巻き舌で言えれば完璧。
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リガトーニのカルボナーラ。
本場のカルボナーラは、とにかく濃い!
スパゲッティよりリガトーニのほうが一般的かも。
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右はリガトーニのアマトリチャーナ。
ベーコンではなく、“グアンチャーレ”という頬肉の塩漬けが入っている。
ベーコンと違ってスモーク香がない。
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パスタ・エ・チェーチ。
ヒヨコ豆とショートパスタ入りの具だくさんトマトスープ。
地味だけど、なかなかいける。
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肉料理なら、アッバッキオ。
乳飲み子羊。
有名なのは、骨付きリブロースをさっとグリルした“スコッタディート”。
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メニューにも、“クイント・クアルト”の文字が。
“クイント・クアルト”とは、4つに分けたうちの5番目の部位、という意味。
肉の解体場では、肉を前後左右の4つに分ける。
ところが、頭、内臓、尾、足は、その4つのどこにも属さない。
そこで、4つのうちの5番目、クイント・クアルトと呼ばれた。
ちなみに、牛テールの煮込みの“コーダ・アッラ・ヴァッチナーラ”も、有名なクイント・クアルト料理。
ローマ料理のもう1つの柱、ユダヤ料理は、ユダヤ人街で食べるのがお勧め。
今回は、超ディープなユダヤ料理店に迷い込んでしまった。
店にいる客は、私たち以外はみんなユダヤ人らしい。
どうしてユダヤ人と分かるかというと、男性は、老人から若者まで全員、例の小さな帽子を、頭の上にちょこんとのせているからだ。
こんな帽子。
ジーンズにシャツの今時の格好をした男の子たちも、みんなかぶってる。
こんなに小さくて、どうしてずり落ちないのか、不思議。
ワインを頼んだら、こんなのが出てきた。
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ぎょ、イスラエルのワイン?
よく見ると、「ロッソ・ディ・トスカーナ」と書いてある。
ローマのユダヤ料理は、基本的には普通のローマ料理だ。
ただ、ユダヤ教は、戒律で食べてはいけない食材というのがある。
豚肉、エビ、カニ、イカ、タコ、貝はだめ。
肉と乳製品は一緒に食べない、などなど。
甲殻類好きには、ちときつい。
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ユダヤ風フォカッチャ。
ユダヤのパンは、発酵させないパンやベーグルなど、ちょっと変わっている。
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ユダヤ料理の中には、ローマ料理の中に溶け込んで、ローマの名物料理になったものもある。
アーティチョークのユダヤ風もその1つ。
このユダヤ風フリット・ミストの中にも、アーティチョークのユダヤ風が入っている。
アーティチョークを丸ごと1個、茎を持って熱い油の中に入れ、フライパンの底に押し付けて花のように広げて、カリカリに揚げる。
ローマ料理は、庶民的で都会的。
レストランは星の数ほどあるが、観光客専門でない、地元の常連さんが通う店を発見するのはなかなか大変。
でも、そういう店に出会うと、感動も2倍。
今回は、老カメリエーレのいるある店が、大のお気に入りに。
また行くから、おじいちゃん、長生きしてね。
イタリアでタクシーに乗ると、たいていは運転手さんと料理談義になる。
ローマのある運転手さんが、こんなことを言っていた。
「実は、コーダ・アッラ・ヴァッチナーラは、食べたことないんだよ。
お袋のトマトソースのパスタが一番だね」
なるほど、ローマ人でも、しょっちゅう牛テール食べてるわけじゃないんだね。
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