なにもかもが,寒い。
今日試合が行われた西宮地方は気温8度,しかも時季外れの冬将軍のおかげで体感的にも非常に寒かったことは間違いないようだが,そこで行われた試合内容は,もっと寒かった。少なくともカープにおいては。菊池,丸,會澤が日本代表で抜けている今日の試合。当然その抜けた穴で起用された選手にとってはアピールのチャンス。そして新井貴浩もスターターから外れたとあって,当然代わりに起用された選手にとっては格好のチャンスだったはずなのだが,結果的に言えば,彼らは何のアピールも出来なかった。誠也,野間,小窪,そして堂林。がっかりした。単にヒットが打てなかったとかなんとかいうより,凡打の内容が悪すぎる。確かに相手先発の能見の今日の出来からはそう簡単に打ち崩すことは出来なかったかもしれないが,それでも何とかアピールしようとするものを見ることが出来なかった。いや,していなかったはずはなかろう。それが結果に出なかったということに,現時点でいかに他球団の一線級のレギュラーとの埋めがたい差を感じなければいけないのである。それが感じられないようなら,とてもじゃないがレギュラー奪取だとか何とかいう言葉もおこがましい。ただでさえ,エルドレッドが開幕アウト,ロサリオが虫垂炎の手術明けで開幕アウト,グスマンは実戦では未知数という段階で,カープにとっては危機的な状況である。しかし,危機的な状況と言うことは残された選手にとってはチャンスなのである。今ここでアピールしておかなくて,何とする。しかし,それができたのは,残念ながら梵と松山と岩本だけ。あとは結果こそ残せなかったが美間は次見てみたいという可能性を見せたくらいだろう。開幕戦まであと17日。確かにキャンプからの疲れが出て体力的に厳しい時期なのかもしれないが,それにしても寒すぎる。オープン戦4試合で1勝3敗,取った得点が2,3,1,0の尻すぼみ。しかもいまだにタイムリーヒットがなし。この現状を何とか持ち上げようとしても,持ち上げようがない。そもそも,これからの対外試合は,開幕一軍枠へ向けてのふるい落としのためのものであることは,言を俟たない。本来ならば,今のカープの現状,すなわち菊池と丸以外は確たるレギュラーがいない現状では,熾烈なアピール合戦があってしかるべきである。それがこのていたらくである。まあ毎年この時期は,強かったころでもあまりいい試合をしていなかったから,あまり過剰な心配をするには当たらないのだが,それにしてもこの内容である。溜息しか出ない。先発したクリス・ジョンソンに関して言えば,確かに1回表の点の取られ方は悪かったし,走者を出してからのコントロールに若干の乱れがあった点が不安材料として残ったが,初期不良がこの時期に出てくれたことはまあよかったと言うべきだろう。あのコルビー・ルイスさえ,開幕2戦目で3つのボークを出して乱れるということもあったのだから。それに,これだけの寒さだったから,指先の微妙な感覚が狂ったのかもしれぬ。まあ,次回登板に期待したい。むしろ,本来その修正に当たるべき主任コーチが畝龍実というのが一番の不安である。そのほかについては,もはやいうべき言葉がない。今井と小野は,今自分が投げさせられている意味が理解出来ていないようである。デ・ヘススは確かに面白そうなのだが,まだまだ一軍で投げるにはちょっと。ザガースキーが近日実戦登板出来るとのことであるので,オープン戦終盤かウェスタンでの序盤で投げることが出来れば,押っ取り刀で開幕一軍に滑り込みそうである。それほどまでに,アピール度が低すぎる。結果的には今井が1失点しただけで済んだのだが,それは相手のチームがレギュラーが固定化されて若手選手の台頭が低く,二線級の選手が多く出ていたからなのであって,そうでなければ完全にこの試合は壊れていただろう。緒方監督が今日の試合を受けてどのような査定をしているかは分からない。しかし,間違いなく甲子園から帰ったあと即教育リーグに送る選手が何人か出たことは間違いないだろう。ただ,それが自分に降りかかるかもしれないという危機感を持っている選手があまりにも少ないことが,あまりにも残念に思う。まあ,だから23年も優勝できないんだろう。テレビで見ていても寒かったぞ。BlogPeopleSIGMA People