hinderは勝利を妨げる
標題に持ってきたのは,昔読んだ英単語の語呂合わせ記憶本の中の一説である(いまでもあるのかな,これ)。私がちょうど受験生一歩手前だった当時の1986年,カープは奇跡的な優勝を果たしたがその一方で歴史的貧打にも泣いた。それだけに,この一節だけいまだによく覚えているのである。今から思えば,あの年の貧打なんて貧打のうちに入らなかった。昨日たった5回の連載で唐突に打ち切られた「2012野村カープ 光と影」が余すところなく書いてくれているが,チーム打率は昨季の.245を下回る.233。実に39年ぶりに,240を割り込んだという。こうなったら責任問題だ。さらに,中国新聞はたたみ込む。>勝敗を分けたのは,勝負強さの欠如だった。>肝心の得点圏打率がリーグ最低の2割2分4厘。>昨季の2割5分1厘からさらに数字を落とし,適時打が出ない状態が続いた。>2点差以内は27勝35敗と,接戦を落とす要因になった。これじゃあ,勝てるものも勝てない。いや,そんなものは分かりきっているわいと言いたいのだが,その声に応えるがごとく渋々川手寿志君は書き連ねる。>打撃陣の力不足は明らかだった。>規定打席に達した梵は2割4分4厘でリーグ21位,堂林は2割4分2厘で同22位。>打撃20傑に一人も入らなかったのは球団史上初めてだった。>100打席以上立った16選手で,チーム最高が岩本の2割6分8厘では苦しい。ここまで大マツダ報道報国会は慎重に伏せてきたが,ついに打力不足,戦力不足に言及せざるをえなくなったのである。ここまではずっと栗原とスタノビアの故障離脱にすべての責任をなすりつけ,今日もそれらしき書きぶりがあるのだが,ついに川手君は禁断のゾーンに足を踏み入れる。>采配も一貫性を欠いた。貧打が色濃くなった終盤は,強攻策に偏る場面が目立った。>連打に活路を見いだそうとしたが,得点力は逆に低下。>1点を積み重ねる責めを貫けなかった。>初球から積極的に打つというスタイルだけでは限界がある。>状況判断や進塁打の重要性を再確認する必要もあるだろう。まさにその通りである。しかし,このところのカープのコーチ人事を重ね合わせると,カープは相変わらず変革を拒否していることがよく分かるだろう。コーチのテコ入れといって今のところ野手担当で見えているのは町田公二郎の解任だけである。しかし,初球から積極的に打つスタイルの徹底,終盤に狂気のごとく連打強攻策を取ったのは野村謙二郎,高信二,浅井樹の三バカトリオではないか。町田が責任を取るなら,この3人も進退で責任を取るべきである。というところで,昨日マリーンズが8コーチの大粛正を行い,その中に高橋慶彦が入っていたことで,カープファンの中には高橋慶彦コーチ就任願望が俄に盛り上がってきたところである。もちろん私のその一人だが,中国新聞は大本営発表として前バファローズ二軍監督の新井宏昌氏にオファーをかけたと報じられた。もちろん新井氏の手腕は確かで,しかもどちらかと言えばじっくりと粘り打ちをするタイプだったから,まあ悪くない人事なのだが,今のカープに絶対に必要なのは高橋慶彦のような人材だ。そのうえで,新井氏も招聘すればよい。そのときは,高信二か浅井樹を切ればよいまでだ。ただし,松田元は知らないかもしれないが,新井宏昌という人は一癖も二癖もある一言居士だ。バファローズをリリースされたからどうや拾ってやるぞと言うような交渉をしていたら,間違いなく新井宏昌という人はそんなオファーを蹴っ飛ばす。それだけは,まあ善意のカープファンの皆さんも心得ておいた方がよかろう。ちなみに,かつて森脇ヘッドコーチが誕生寸前まで言ったのをぶちこわしたのは松田元の横柄な態度である。それだけ松田元は人間のクズなのである。さて,そういう思いを後押ししているのか,堀治喜氏の「マツダ商店(広島東洋カープ)はなぜ赤字にならないのか?」は,じわじわとその反響が広まっているようである。すでにAmazonでは取り扱いが始まっているが,書店に置いてあるかどうかはまだ確認していない。が,いずれ広島ではフタバ図書や紀伊國屋書店の目立つところに平積みされることだろう。絶対に目から鱗が2,3枚は落ちる。なるほどそうだったのかと自分の膝を叩きたくなる。「衣笠祥雄はなぜ監督になれなかったのか」の何倍も刺激的である。これを読まずしてカープファンは名乗れないと,あえて言い切ってしまう。こちらは刃を研いで待っているぞ。すでに銃の引き金に手はかかっている。BlogPeople