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2006.09.02
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カテゴリ:ダイエット
 
今日もがんばれー 

体を動かして発散する、おいしいものをおなかいっぱい食べる、
さっさと寝てしまうなど、
その方法は人によってさまざまですよね。

平成14年「国民栄養調査」

平成14年の「国民栄養調査」ではストレス解消の男女差に対する、
興味深い結果を発表しています。

同調査によると、ストレスを感じたとき、
「食事量に明らかな変化がある」と答えたのは、
男性では3割強なのに対し、女性では5割を超えています。

しかも、男性では食事量が少なくなると答えた人のほうが、
多くなる人より多いのに対し、
女性では多くなる人が少なくなる人を若干上回っています。

また、ストレスを感じたときの体重の変化に関して、
体重が増える(太る)と答えた人は、
男性が6.2%だったのに対し、女性は15.8%という結果に。

つまり、これらの結果をまとめると、ストレスを感じたときに、
女性は男性より食べることで解消する人が多く、
しかも体重の増加にも結びついている、ということがいえるようです。

■過食をするときには、どうしてコンビニに駆け込むの?

さてここで、食べることでストレス解消をしている方たちに質問です。
具体的には、どんな食べ物でストレス解消していますか? 

高級レストランで豪華なランチを食べたり、
ケーキなどのスイーツを食べたり、はたまたラーメンのハシゴなど、
それこそ人それぞれ、またそのときの状況によっても異なりますよね。

食べることを一時的なストレス解消法とする程度ならよいのですが、
なかには際限なく食べつづけて過食症になる人もいます。

精神科医の高橋龍太郎氏は、
著書のなかで過食症の女性の食行動について興味深い指摘をしています。

「過食症の女性を生み出す要因はいくつか考えられます。
24時間開いているコンビニの隆盛も、そのひとつ。
おもしろいことに、自分で手間暇かけてつくった料理で
過食に走る女性は、まずいません。

例外なくコンビニで売られているような
簡便な食べ物で過食になります。

お手軽な物質主義や、大量生産、大量消費という今日的な状況が
過食を生んでいるのです」(『あなたの心が壊れるとき』扶桑社文庫より)

たしかに、過食症ならずともムシャクシャしたときには、
コンビニでスナック菓子やケーキ、油っこいファストフードなどを買って、
むしゃぶりつきたくなりませんか? 

作って食べるのもまどろっこしく、
手軽に手に入るものをすぐに食べて
気分を紛らわしたくなりますよね。

しかしそのときは、食べ物に対する感謝の気持ちや
人と食卓を囲む喜びなど、和やかなムードは一切なく、
頭の中はこれらのものを食べて
「とにかくいますぐ、このイライラをなんとかしたい!」
という気持ち一色に染まってしまっていないでしょうか。

しかし、この現象はいったいどうして起こるのでしょう?


■ストレスがたまると、油っこいもの、肉類、
甘いものがむしょうにほしくなるのはどうして?


食べることでストレスを解消したいと思う場合は、
とっさにスナック菓子やフライドチキン、生クリームたっぷりのケーキなど、
油っこいもの、甘いもの、肉類などが頭に浮かんでいることが多いようです。

野菜などのヘルシーな食べ物が頭に浮かぶ人は、
少数派ではないかと思うのですがいかがでしょうか?

これら、油っこいもの、甘いもの、肉類をほしがるのは脳が求めているから、
という説があります。

この件に関しては、浜松医科大学名誉教授・高田明和氏も著書
『「うつ」にならない食生活』(角川書店)のなかでふれていますので、
一部を引用してみたいと思います。

コレステロールに関して
「脳は栄養としてコレステロールを必要としているのです。
一つには脳細胞の突起は電気反応により情報を伝達しますが、
電気の漏れを防ぐために突起の周囲を脂肪(ミエリン膜)で
取り巻いているのです。

この原料として脂肪が必要です。
さらに神経細胞も膜の安定のためにコレステロールは必要なのです」

肉類に関して
「肉などを食べないでトリプトファン※を摂らないようにすると
血液中のトリプトファンはすぐに低下し、
脳内のセロトニン※※の量も下がります。また気分も暗くなるのです」

糖分に関して
「エネルギーを作る際に、体の筋肉などブドウ糖だけでなく、
脂肪の成分の脂肪酸を使うこともできます。
(中略)ところが脳だけは、ブドウ糖しか
エネルギーとして用いることができないのです。
そのために、ブドウ糖の供給が少なければ、脳は働かなくなり、
意識を失い、これが続けば植物状態になってしまうのです」


(『「うつ」にならない食生活』(角川書店)より)
ガイド注)
※  トリプトファンとは、肉に多く含まれる必須アミノ酸のこと。
※※セロトニンとは、興奮を鎮め、精神を安定させる脳内の神経伝達物質のこと。
トリプトファンが変化して、セロトニンとなる。

肉やコレステロール、糖分はカロリーも高く、
ダイエットの大敵ともいえるものですが、同氏の説によると、
あまり制限しすぎると気持ちを鬱屈させたり、
脳の働きを悪くするものであることがわかります。

■ダイエットにいちばん必要なのは、心の安定を保つこと
さらに、ストレス太りをすると、悪いダイエットの循環から
なかなか抜け出られないといわれますが、それはどうしてでしょう。
これは、以下のようなメカニズムが働くからはないでしょうか?

ストレス太りの悪循環
1. ストレスによってダメージを受けた脳の働きを高めるために、
  衝動的に油っこいもの、肉類、甘いものをたくさん食べる

2. カロリーが高いものを食べ過ぎてしまったために、太る

3. 太ってしまった体を元にもどすために、これらの食べ物を制限する

4. 脳に必要な栄養分が減るために、衝動的に油っこいもの、
  肉類、甘いものをまたたくさん食べる

以後、2~4以降のくり返し・・・

しかも、無理な食事制限によるダイエットに失敗すると、
より太りやすくなることもこの悪循環から抜け出られない重要な要因です。

摂取カロリーを極端に少なくすると体内の脂肪が落ちて
一時的にやせますが、同時に筋肉も落ちるために、
エネルギーを燃焼させるための基礎代謝量が少なくなります。

この状態で高カロリーの食べ物を摂ると、
以前よりも燃焼しきれる分が少なくなり、
燃えカスが脂肪として蓄えられてしまいます。
これがいわゆるリバウンドです。

食べたいものを極端にガマンするダイエット方法が
いかに脳への負担が高く、
続けることが難しいかこれでお分かりでしょう。

本来ダイエットは、適度な運動とバランスのよい食生活を心がけ、
本来ロングスパンで取り組むものべきものです。

そしてなにより大切なのは、ストレスの少ない生活を送ることです。

ストレスを増やしていると脳への栄養が少なくなって
カロリーの高い食べ物をドカ食いしたくなりますし、
また無理な食事制限を続けているといずれ食べたい欲求を止められない日が訪れ、
逆にリバウンドをしやすくなってしまうのです。

ダイエット中でも油っこいもの、肉類、甘いものを極端に排除せず、
上手に量をコントロールして取り入れながら、
ストレスをためない生活を心がけていきたいものですね。

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Last updated  2007.01.28 17:54:50
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