1年の計が元旦にあるなら、1日の計は朝食にあります。
毎日朝食をきちんととることは、
規則正しい生活のバロメーターと言われています。
とはいえ、朝食をとることが健康に大事とわかっていても、
なかなか実行できない人が多いのも事実です。
2002年に厚生労働省が発表した国民栄養調査では、
1975年に全体で6.3%だった朝食欠食率が、
2002年には9.7%に増加しています。
同じ調査を男性の年代別に行ったものをみると、
15~19歳では10.7%から14.4%へ、20~29歳では15.5%から26.5%へ、
30~39歳では8.5%から24.7%へと、それぞれ増加しています。
20代、30代の忙しい世代の男性のほぼ4人にひとりが
朝食を食べていないのです。
同様に女性への調査では、20~29歳は11.7%から20.6%へ、
30~39歳では5.3%から12.1%へと、男性ほどではないものの、
朝食を欠食する傾向が強まっていることがわかります。
朝食を食べるより寝ていたい、
朝食抜きに慣れているので問題がない、という声も聞こえてきます。
では、なぜ朝食をとる必要があるのでしょうか。
朝食抜きは、体重増加や心疾患に直結する可能性がある
とのアメリカの研究報告があります。
朝食を2週間抜いた健常女性は毎日朝食をとった女性と比較して、
その日の残りの時間により多く食べており、
「悪玉」のLDLコレステロールが高く、
インスリン感受性が低いという結果が出ています。
朝食抜きは太るとよくいわれる背景には、
このような裏づけがあるのです。
さらに朝食は食べたあとの活動時間が長く、
摂取したものが活動の中で消費されるため、
夕食ほどにカロリーを心配する必要もありません。
また、人には日内変動という生活のリズムがあります。
身体は朝食をとることで活動を始め、
脳は朝食をとることで活性化します。
朝食をとることは午前中の仕事や勉強の
効率アップにつながるのです。
逆に朝食抜きだと血糖値が低下し、脳の働きがわるくなり、
仕事や勉強の効率が落ちるばかりか、
空腹でイライラすることもあります。
さらに気になるところでは、長期にわたって朝食を抜き続けると、
脳への栄養不足から痴呆になりやすいという調査結果も出ています。
1日のはじまりとしての朝食の習慣。
それは単に身体の健康によいだけでなく、
生活のリズムを整えることでもたらされる
精神面への効果も大きいといえます。
つい朝食を抜いてしまうという方は、
明日はほんの少しだけ早起きして、健康的な1日をスタートできるよう、
朝食をとってみてください。
まずは、ごく簡単なものでもかまいません。
朝ごはんを食べることで、職場や学校での午前中の過ごし方が
昨日よりずっと生き生きとしてくるはずです。