Q. 運動をしたいが膝に痛みがある場合、どうしたらよいか
A. 安全で効果的な運動としてウォーキングが
一般に推奨されるのですが、「膝の痛み」を抱えている方には
適当な運動とは必ずしもいえません。
減量しようと意気込んで、どんどん歩いていたら、
膝の症状が悪化し、運動を挫折した方も実際多いのです。
そこで、いくつかの対処方法を挙げてみましょう。
一つには、膝への負担が少ない運動を行うことです。
その典型として水中運動がありますが、浮力の影響により、
水深が深くなるほど重力による負荷は少なくなります。
一般に臍まで浸かれば地上の負荷の50%、肩までで10%になるとされています。
自転車も膝への負担が少なく、自分の体重が直接膝に負担になることはありません。
逆に、ジョギングやランニング、縄跳びのようにジャンプがあるような運動や、
階段や坂道を膝で制動しながら下るような運動、ハイキングのように
重い荷物を持ちながら行う運動は、膝に大きな負担をかけます。
また、膝を急にねじるような動きがある運動もさけたほうがよいでしょう。
二つめには、膝の痛みを予防したり、やわらげたりする体操を行うことです。
とくに、膝の筋肉を強くしたり、膝の関節の動きをよくする体操が効果的です。
基本は、太もも前面の筋肉、つまり大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の
血のめぐりを良くし、この筋肉の力を強くすることです。
脚を伸ばした状態で太ももの筋肉を緊張させたり、
ゆるめたりを繰り返します。
このリズミカルな運動がポンプのような作用をして、膝の血行を改善し、
腫れを軽くしたりする効果をもたらします。
膝の関節の動きをよくする運動も効果的です。
膝に両方の手の平を当て、ゆっくり10 ~20 回押します。
最初は弱く、徐々に強く押しましょう。
左右交互に10 回ずつ行います。これらの運動を毎日、朝・昼・晩続けると、
症状が強い人でも8割以上はよくなるといわれています。
三つめには、膝を左右にぐらつかせない
専用サポーターなどを利用することです。