Q. ウォーキングは10分でも効果があるのでしょうか
A. はい。ウォーキングは、健康を維持・向上させる効果がある運動の代表として
多くの研究により支持されています。
以前は、持久力(心肺機能)を高めるためにジョギングのような、
やや強い運動を奨励する勧告があったのですが、
近年、健康や疾病予防を目的とする場合には
中等度の強度の運動で十分効果があり、
その典型であるウォーキングの効用が
明らかになってきたというわけです。
中等度の運動には運動し過ぎによる害が
出にくいという安全面での利点があります。
さらに、ウォーキングは、いつでもどこでも、
気軽にできる運動という利点もあるので、
年齢を問わず多くの人に推奨できます。
次に、10分の運動で効果があるかについては、
これまで「脂肪を効果的に燃焼するためには最低20分以上の
連続した運動が必要である」と勧められていましたが、
たとえ1回10分の細切れでも良いから1日合計30分以上という
累積の運動時間を確保しましょうという指針が最近出されました。
この変更の背景には、脂肪燃焼は運動後20分から
急に始まるものではなく、8~10分程度の運動でも
脂肪がエネルギー源として利用されること、
多忙な日々を送る現代人にとっては、運動のために連続20分の確保は
なかなか大変で、この条件自体が運動習慣を身につける上で
障害になることなどがあります。
以上、1回が10分という短時間のウォーキングでも
積み上げていけば健康増進に効果があるといえます。