ダイエット博士です。
「基礎代謝を上げるには、
エネルギー消費の多い赤い筋肉「赤筋」を鍛えることが大切。」
順天堂大学順天堂医院 佐藤裕之
身体には2種類の筋肉があります。
白い筋繊維の「白筋」と赤い筋繊維の「赤筋」。
「白筋」
身体の表面近くに多く、走ったり、飛んだり、
重いものを持ち上げたり、力を使う運動で働く筋肉。
「赤筋」
身体の内部に多く、呼吸のために肺を動かしたり、姿勢を維持するため、
骨を支えたり、血液循環を促すために伸び縮みするなど、
生命維持のために働いています。
つまり、「赤筋」こそ基礎代謝の筋肉だったのです。
しかも「赤筋」は「白筋」より、毛細血管が多く、
酸素が豊富に供給されるため、エネルギーを燃やす力が高いんです。
だから「赤筋」を増やさないと基礎代謝はアップしにくいのです。
Bさんの基礎代謝が上がらなかったのは、
力を使う運動で「白筋」を鍛え、「赤筋」を増やせていなかったため。
ではどうすれば「赤筋」を増やせるのか?
その答えは、筋肉を動かすスピードにあったのです。
実は身体を早く動かすほど、「白筋」が多く使われ、
ゆっくり動かすほどに「赤筋」が使われるというので
同じ女性にスクワット30回を速さを変えて行ってもらい、
カロリー消費量を計測。
すると、確かにゆっくり動く方がカロリーを多く消費していました。
つまり「赤筋」を使ったということ。
では、ゆっくりとした運動をしていると、基礎代謝が高くなるのでしょか?
「太極拳」を続けている人たちの基礎代謝量をチェックさせてもらいました。
1459キロカロリーもありました。
1200キロカロリーあれば標準なのですが、250キロカロリーも高い。
つまり、ゆっくり運動を続けたため、赤筋が増え、
エネルギー消費量がアップしていたのです。
でも「太極拳」はそう簡単には始められませんよね。一体どうすれば?
実は、とっておきの方法があったのです。
それは、「赤筋」が多い場所を集中的に鍛えること。
それは、意外な場所、「背中」。
背骨を支える「脊柱起立筋」は、体で一番長い骨を支える為、
最も赤筋が多い筋肉なんです。
でも今、猫背など姿勢が悪く、この筋肉の弱い人が増えています。
実際、弱った「脊柱起立筋」に力を入れ、
背筋を伸ばしただけでカロリー消費量は、1.5倍もアップ
つまり「脊柱起立筋」を鍛えれば基礎代謝をグンと上げられるのです。
脊柱起立筋トレーニング
そこで簡単に鍛える方法がこちら。
手とひざを床につけ、 腕と反対側の足を上げ、
「行かないで」のポーズ。
5秒耐えてください。左右10回ずつ繰り返すだけ。
基礎代謝が低いBさんにもこれを始めてもらいました。
1日2セット、続けること2週間。基礎代謝は上がっているのでしょうか?
すると、なんと170キロカロリーもアップ。
脂肪が1月で0.7キロ多く燃える身体になったのです。
背中を鍛えれば、必ず基礎代謝を上げられるのです。