|
カテゴリ:教授の雑感
『白鯨』で名高いハーマン・メルヴィルにはマルコムという名の息子がいて、この人はピストル自殺をしちゃうんですな。
で、当然メルヴィルはお墓を作りまして、そこに自作の墓碑銘を刻んだ。息子の死を悼む4行詩のようなものらしいのですが。 で、現代ってのはすごいもので、ネット上でこのお墓の写真を見ることができる。 ところが、いかんせん、光の加減が悪く、4行詩に何と書いてあるかは読めない。私はそれが読みたいのに。 で、このメルヴィルが息子の死を悼んでお墓に刻ませたものなのだから、そんなのどこでも読めるだろうと思っていたのですが、いざ、これを探そうとすると、なかなか出てこない。今日はそれを探して、ずっと大学の図書館に籠っていたのですが、メルヴィル関連の研究書を二十冊ばかりひっくり返していたのだけれど、どこにも出てない。 メルヴィルの伝記を書いた人、メルヴィルの研究をしていて伝記的事実を書いている人は沢山いるのだけれども、息子の死をメルヴィルがどういう風に悼んだかというのを調べた人というのは、案外いないのね。 いやあ、不思議だなあ。だって普通に考えてみ。ある人にとって、自分の息子が自分より先に死んだ場合、それも自殺だった場合、相当なショックを受けるのではないのか? そのことが、その人の人生に、なにがしかの影響を与えただろうと、想像しないのだろうか? というわけで、簡単に探せるだろうと思っていたことが、実際にはそうではないということが分かって、いささか愕然としつつ、この4行詩を見つけるのには案外、時間が掛かるのかなという予感がしてきて、ちょっとガックリしているワタクシなのであります。もし誰か知っている人がいたら、教えて! 日本メルヴィル学会会長の牧野有通先生とかに聞けばいいのかしら? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[教授の雑感] カテゴリの最新記事
|
|