|
カテゴリ:教授の読書日記
某誌から書評を頼まれ、『70年代アメリカ』という本を読んでおります。まだ途中なんだけどね。でもなかなか面白い。
アメリカの1970年代って、何もなかった十年、みたいな見方を従来されているけれども、どうしてどうして、この十年があったから今の21世紀があるんじゃないの? という趣旨の本なんですけど、とにかく1970年代にアメリカで起こった色々な事象が俎上に上げられ、分析されている。それがいちいち面白いわけ。 たとえばこの時代を代表する映画に『ゴッドファーザー』がある。 この映画の主人公、マイケル・コルレオーネは、最初、軍人として登場する。つまり、シシリアン・マフィアの息子としてではなく、善良なアメリカ人として。 ところが、マイケルはストーリーの進行と共に変容していき、結局、アメリカ人であることをやめ、シシリー人として父の跡を継ぐ。 これが70年代だと。 つまり移民としてアメリカにやってきたすべての人種が過去を捨て、人種のるつぼの中で「アメリカ人」という架空の人種に溶け込み、統合するのではなく、それぞれの民族が独自の文化を持ちながら多様なアメリカ社会の中で生きていく、そういう新しい概念が70年代に生まれたのだと。その一つの象徴が『ゴッドファーザー』なのだと。 面白くない? ま、この本はそういうようなことが色々書いてある。勉強になります。 これこれ! ↓ アメリカ70年代 激動する文化・社会・政治 [ ブルース・J・シュルマン ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 9, 2024 10:01:27 PM
コメント(0) | コメントを書く
[教授の読書日記] カテゴリの最新記事
|
|