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カテゴリ:教授の読書日記
昨日は名古屋で行われた学会に出ましたが、今日は神奈川の実家に戻っております。母のことがありますのでね。
さて、そんな私のお供になったのが、日髙敏隆先生がお書きになった『ぼくの世界博物誌』(集英社文庫)という本。 これこれ! ↓ ぼくの世界博物誌 (集英社文庫(日本)) [ 日髙 敏隆 ] 何でこの本を買って読んでいるかと申しますと、先日読了した山田稔さんの『もういいか』という本に日髙敏隆先生の思い出が書かれていて、それで日髙先生のことを懐かしく思い出したから。 実はね、私は著名な動物行動学者である日髙敏隆先生と直接の面識があったのよ。実は私の所属講座でその昔、二度にわたって日髙先生をお招きし、学術講演をしていただいたことがあるんですな。で、2回目の時は私が先生をお招きしたり、おもてなしをする任に当たったこともあり、先生にも顔と名前を覚えていただいた次第。 それにプラスして、日髙先生が私のことを認識するとっかかりというのがありまして。実は私の義理の叔父がかつて京都大学の医学部に勤めていて、同じく京大におられた日髙先生も叔父のことはよくご存じだったんです。で、その後、叔父は滋賀医科大学の学長となり、一方日髙先生は県立滋賀大学の学長となられた。京都から滋賀へ、という道筋も同じだったと。そういうこともあって、日髙先生は叔父とセットで私のことを覚えていてくださったわけ。 ちなみに、日髙先生の学術講演会は面白かったのよ~。内容は高度なのに、それを実に面白く語られる。もう20年くらい前の話ですけど、まあ、あれほど面白くてタメになる講演なんて、その後、聴いたことがないくらい。 そんな日髙先生のお名前を、山田稔さんの『もういいか』で目にしたもので、たまらずこの本を買い、今回の上京に持参したと。 で、実家について早速読み始めたのですが、やっぱり、期待通り、実に面白い! 優れた理系の研究者の中に、文もよくする人が時々いますが、日髙先生はまさにその例。しかも日髙先生は研究者として世界中を経めぐっておられますから、経験が豊富。その豊富な経験を元に世界各地で出会った人物、事物、経験を書かれるわけだから、面白くないわけがないんですな。 しかもこの本には随所にイラストがちりばめられていて、それを描いているのが先生の奥様の喜久子さんなのよ。 でね、その奥様のことを、日髙先生は「キキ」ってお呼びになるの! 本文中で。 ひゃー! 素晴らしい! きっと先生と奥様は仲良しさんだったんでしょうね。私は奥さんを大事にしない男は男じゃない(←『ゴッドファーザー』でドンが言うセリフ)と思っているので、奥様のことを愛情を込めて「キキ」って呼ばれる日髙先生のことがますます好きになっちゃうわ~。 っつーことで、『ぼくの世界博物誌』、まだ全部読み終わってないけど、教授の絶賛おススメ!です。 で、そういいながら、この文庫本をパラパラやっていて、最後の方にある「初出一覧」を見たのですけど、そうしたら、もう一つ驚くことが! 何とこの本の元となったエッセイ群は、その大半が『全人』という雑誌に連載されていたものだったのでした。 『全人』というのは、玉川学園の創立者、小原国芳先生の肝煎りで創刊された玉川学園の雑誌で、私のような玉川出身者からしたら懐かしいもの。その『全人』に日髙先生が長年、エッセイを書き綴られ、それがまとまって、玉川大学出版部から出版され、それが現在、集英社文庫になっていたいんですな。 いやはや。色々なことがつながって、ますますこの本が私には大切なものとなりそうです。 ぼくの世界博物誌 人間の文化・動物たちの文化 [ 日高敏隆 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 13, 2024 04:29:39 PM
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