カテゴリ:日常
日常の雑務から解放されて、ふと放心する。それが最近において、一番ほっとできる瞬間。そんなときに、昔好きだったものとか考えていたことをひとつひとつ思い出すことがある。
それは、例えば星空。 そしてそれは、例えばお盆の前頃に大体観察することのできる、ペルセウス座流星群。 観察していたといっても、山奥ではなくて、自宅のベランダから。 もっとロケーションがよければたくさん流星が見えるのだろうけど、家のベランダから見ている分には、せいぜい5分から10分の間にひとつ流れ星が見えればいい方。それでも、ポピュラーな流星群として毎年確実に見ることのできるこの時期を楽しみに、数年間欠かさず見た時期があった。だけど、私が感嘆したのは、流星じゃなくて空全体の動きだった。 暗闇でじっと目を凝らす。目が徐々に慣れていって、最初見えなかった星々が見えるようになる。そこまではいつもの光景。でも、あるときびっくりする現象が起きた。じっと見上げて、観察していると、ふとした瞬間に空全体がものすごい速さで流れていく。雲が、星が、目に見える速さで、星がスピードを上げて動いていく。速い。こんなに速い。あまりにも速くて、吸い込まれそうだ。 空全体が動いてる! あまりにも星をじっと見つめていたから、目が錯覚を起こしたんだろうか。でも、それはずっと続いた。私が見ることをやめるまで。 雲の流れが速いことがしばしばあるように、同じように、星も早く動くことがあるんだ。でも、きっとそれは雲とは違う。星の動きを感じられるかどうかは、空の見方次第なんだ。感じようと思えば感じられる。そして、それは不意にやってくる。 その動きにあまりにも驚いて、これを見た人が他にもいるだろうと思って、次の日学校の隣の席の人に聞いてみた。 「昨日、空がすごい速さで動いてなかった?」 でも、きょとんとされちゃった。 あんなに空の動きが速かったのに、誰も気がつかなかったのかなぁ・・・。 私が一時期星空にこだわったのは、ひとえに小学校のときの友人からの影響。 星座が大好きだった彼女はこんな風に、よく語ってくれたものだった。 日本から見えない、星座があるんだよ。 南十字星もそうだけど(沖縄の一部からは見える)、私が好きなのは、レチクル座。ダイヤの形をしてるんだ。 あとね、昔、アルゴ船座っていう星座があったの。でもあまりにも大きすぎる星座だったから、4つの星座に分けられちゃった。今では、ほ座、とも座、らしんばん座にりゅうこつ座になったんだよ。 「アルゴ船座」の方がかっこよかったのになぁ。確かに、星座盤で見ると、空いっぱいのサイズになっちゃうかもしれないけど。 そんな風に、友達の話を聞いていて、自分も星座や宇宙に惹かれていった。 宇宙にも地平線がある。夜空に星が見えるなら、宇宙の中にある無限の星々が見えるはずなんだけど、実際地上から見える星は限られている。私たちが見ることのできる星たちと見えない星たちとの境目。その宇宙の境目が地平線。難しい理屈はよくわかんないけど、その地平線に妙に挽かれたりして。 それと、昔本で読んだブラックホールの存在。ブラックホールの重力に引き込まれたら、もちろん生きていることはできない。けれど、もし生きることが可能だとしたら、その引き込まれている最中にもう一人の自分が見える。そんな、未知の話とか。 気がついたら、忙しさにかまけてすっかりそんなことも忘れていた。ああ、最近星空見てないな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 1, 2005 10:25:56 PM
コメント(0) | コメントを書く
[日常] カテゴリの最新記事
|
|