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2024.05.20
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カテゴリ:政治経済

現在の円安を引き起こしたのは、2020年から2021年にかけた財務省による(相対的)緊縮財政です。


 コロナ禍においてすら、財務省は(国民を救うに)十分な財政赤字を出そうとしなかった。逆に、アメリカはうらやましいほどの財政赤字を出した。
 

 結果的に、日本経済は停滞。アメリカ経済は過熱。
 

 アメリカのインフレ率は、2022年には8%に達した(そもそもアメリカはデフレではなかった)。結果的に、FRBが前代未聞の利上げを実施。日米金利差は2021年にはほぼゼロだったのが、現在は5%超にまで開いています。
 

 もちろん、為替レートは金利のみならず、インフレ率、国際収支の状況などによる「為替市場の思惑」で決まります。とはいえ、さすがにここまで一気に金利差が開けば、普通にドル買い円安が進む。

【日米政府の基礎的財政収支(対GDP比%)】




http://mtdata.jp/data_90.html#JPUSPB

 国民を救うために、十分にプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)の赤字を拡大したアメリカ。


 財務省主導の緊縮財政が続き、PBを十分に拡大しなかった日本。
 

 結果的に円安になったわけですが、財務省は「これ」すらも緊縮財政のツールとして活用してきます。円安の原因を日銀の金融政策に押し付け、「利上げ」に誘導しようと図り、骨太の方針2024の議論において、
「国債の利払い費が膨張する!」
 と煽り、PBどころか(国債利払費を含む)財政収支の黒字化を新たな財政指標に据えるべくプロパガンダを展開中です。

財政健全化目標を廃止!?自民積極財政派が掲げる「MSSE」の“いいところ取り”は許されない
◆「骨太24」での財政政健全化目標 積極財政派と健全財政派の論争再燃
 日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出し、国債利払い費の増加が見込まれる中で、新たな財政健全化目標をどうするのか、6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2024)」策定に向けた議論が始まった。(後略)』

 ちなみにMSSEとは、モダン・サプライサイド・エコノミクスの略で、規制緩和や法人税減税といったレーガン政権以来のサプライサイド政策を否定し、財政政策を成長戦略とする考え方です。


 興味深いのですが、この手の積極財政派批判の記事は、テンプレか何かあるのか、必ず、
『日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出し、国債利払い費の増加が見込まれる』
 を入れてきます。
 

 財務省が財政収支に緊縮目標を転換しようとしているのは、間違いないと思います。

―――――――――――――――――続く――――――――――――――――――

記事タイトル: 財務省が描くストーリー

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https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12852883356.html?frm_src=favoritemail

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Last updated  2024.05.21 09:32:17
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