第二次安部政権発足以降、「悪い指標」が続くと、指標の定義を変更することで「よく見せる」ことを図る手法が流行していました。
代表的な例を挙げておきますね。
◆ GDP基準改定
2016年、日本政府はGDP基準について2008SNAに改訂しました。もちろん、それ自体を批判しているわけではない。
問題は、当時の日本政府が「GDP600兆円」という目標を掲げており、基準改定によりGDPが20兆円かさ上げされることになり、それを受けて、石原伸晃経済再生担当大臣(当時)が、
「これでGDP目標の早期達成の可能性が高まった」
と、発言したことです。
いや、基準改定で20兆円、GDPがかさ上げさえるなら、目標を620兆円にしなければならないんじゃないの?
◆ 物価上昇率の指標追加
2017年、総務省がいきなり「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の発表を始め、これがコアコアCPIだと言い出しました。
輸入物価の影響を排除したいならば、生鮮食品を除く、ではなく「食料(酒類を除く)を除く総合」でなければなりません。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」では、外国から輸入される穀物価格上昇の影響が入ってしまいます。
つまりは「コアコアCPI」ベースで見ても「物価は上昇している」と見せかけるための指標変更としか思えないのです。グローバルには、コアコアCPIとは「食料(酒類を除く)を除く総合」です。
◆ 雇用統計のサンプル変更
2018年 雇用統計のサンプルを変更し、「給料が低い企業群」を排除し、代わりに「給料が高い企業群」に入れ替えた。その事実を無視したまま、
「給料が上がっている」
指標を発表したわけですから、わたくしは猛烈に批判したわけです。サンプル変更で「指標が改善した」とやるなど、「詐欺」そのものです。
すると、なぜか「サンプル変更は普通に行われる。批判している三橋は頭がおかしい」と批判されてしまいました。
いや、わたくしが批判しているのは「給料が低い企業群」と「給料が高い企業群」を比較し「給料が上がっている」と発表する詐欺手法であって、サンプル変更そのものではありません。
世の中には、頭がおかしい人が多いんだなあ・・・・、と、つくづく思いましたよ、マジで。
GDP基準改定も、物価上昇率の指標追加も、雇用統計のサンプル変更も、別にやっていいんですよ。とはいえ、
「指標が悪化している状況で、指標をよく見せる統計変更を行い、指標が改善しているかのように見せかける」
これは、ダメでしょ。まさに、大本営発表ですよ
――――――――――――――――――続く――――――――――――――――――
記事タイトル: 統計の基準変更を政治利用するな
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