現代の海運において、港とコンテナ船がなぜ重要なのか。陸上運送を考えてみれば分かります。
軽トラックで一般道を走り、東京-大阪間の運送サービスを提供する。何日間、かかるのでしょうか?
それに対し、大型トラックで東名阪高速道路を使う。6時間弱くらいで到着します。一人のドライバーが「生産」する運送サービスの生産量は激増します。
すなわち、生産性が向上する。
海運の場合、小型コンテナ船で運ぶよりも、超大型コンテナ船で運ぶ方が生産性が高く、コストも下がるのです。とはいえ、当たり前ですが、超大型コンテナ船を活用するには、船が入港できる港が無ければなりません。
つまりは、
1.超大型コンテナ船が入れる港がなく、超大型コンテナ船を使えない
国と、
2.超大型コンテナ船が入れる港が多く、普通に超大型コンテナ船を使える
国とでは、海外交易の生産性が大きく異なってしまうのです。率直に言って、1の国は2の国に勝てっこない。軽トラで一般道を走り、大型トラックで高速道路を走る企業に対抗しろ、と言っているのも同じです。
日本はもちろん1ですが、皮肉な話でございまして、「世界最大の超大型コンテナ船」の建造は可能なのです。造船はできるにも関わらず、入れる港がない。
『「海運マーケットは好調」 世界最大級のコンテナ船を手掛けた今治造船、増収増益
今治造船の今年3月期の決算は、売り上げが前の年から20%近く増え、増収増益となりました。(中略)
檜垣社長は、昨年度の大きな動きとしてジャパンマリンユナイテッドとの共同設計によって竣工した世界最大級のコンテナ船がシップオブザイヤーに輝いたことを挙げ、「今年度も海運マーケットは好調を維持している」と述べました。』
――――――――――――――――――続く――――――――――――――――――
記事タイトル: 日本の海運と港の現実
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