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カテゴリ:カクテル,ワイン,エトセトラ
広島のすし屋で、今が旬ですよって鯛を出されました。瀬戸内海はピンクの桜鯛が有名なので春が旬かと思っていましたが、卵に栄養がとられる春よりも、冬を前に栄養を蓄えた晩秋がおすすめなのだそうです。
旬とは、その食べ物が一番おいしい季節のこと。でも、最盛期よりも、出始めが好まれるのは江戸っ子文化? 初鰹、菜の花、岩牡蠣、冬瓜、早生みかん・・・ちょっと先取り気分でうきうきします。 ボジョレー・ヌーボーも、収穫祭の喜びに加えてそんな先取りのお得感があって、日本人にうけるのでしょうか。なんてったって、母国より早く飲めるんだもの。 濃厚なボルドーや果実見たっぷりの南半球形を好みとする人にとっては、味に深みが足りないボジョンヌ(勝手に略語)はコストパフォーマンスが悪く感じられるようです。飲むに値しない、という人までいます。 昨年のボジョンヌは、100年に一度の出来栄えなどと宣伝されていました。今年はあまり話題になっていないようです。強いて言えば昨年並みだそうです。それって、やっぱり100年に一度ってこと? 不況のせいもあってか、ぱーっとパーティで飲むという人は少なく、一本買って家で飲むつもりの人の方が多いらしい。1000円以下でおいしいワインもたくさんあるのに、たかがボジョンヌに高級ワインなみの金額払うのは馬鹿らしいって気も確かにするよね。円高で多少は安くなってるのかなあ。中身より航空運賃で高いわけだから、たいして安くならないよね、たぶん。 そうは思いながらも、胎内くぐりや酉の市と同じように季節のイベントのひとつとして、今年も楽しみにしています。 酸味も渋みも少ない澄んだ味わいという基本をはずさない範囲内で、いかに個性を出して売ろうか、みんな様々な工夫をしているようです。何種類か飲み比べて、その個性を比較するのは楽しいゲームです。通常のワインとは異なり、同じ生産者やネゴシアンでも毎年ラベルが違うので、絵心も刺激されます。 ボジョンヌはワインを造るのに数日しかからないスーパーフレッシュな新酒です。考えてみれば当たり前ですが、ブドウをつぶして数日ほっとくだけでは色も味もつきません。 ここで登場するのがマセラシオン・カルボニックっていうすご技。 ブドウをぎっしりタンクに詰め込んで密閉すると、発酵によってタンクの中に炭酸ガスが充満し、高濃度炭酸ガスによって皮に包まれたままの果実中で急速においしい化学変化が起こるらしいです。 このマセカルをどのくらいの時間続けるかなんてことも、きっと生産者によって多少の違いがあり、できあがるワインに変化をもたらすのでしょうね。 そういえば、ボジョレーのビオディナミ(有機農法)で有名なマルセル・ラピエール氏がなくなったそうです。彼の最後のワインはどんなかな。 コサールでござ~るで有名な(?)フレデリック・コサールの今年の濁りボジョンヌは、どんな色合いかなあ。 ドルフィン刑事(デカ)で有名な(?)ジョゼフ・ドルーアン、魔王ジョルジュ・デュブッフvs魔女ルロワ、ラベルが素敵なルー・デュモン、PPのパカパカパカレ・・・有名どころがひしめくボジョンヌパレード、楽しみですね~。 ちなみにこれは、昨年飲んだラングドックのヌーボの絵です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月17日 16時49分54秒
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