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March 1, 2005
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カテゴリ:Public Relations
私の驚きポイントは大きく分けて2点。

ひとつは、リーマン・ブラザーズが沈黙している2週間の間に、メディアによって作り上げられたイメージのあまりのダーティなことである。

リーマン・ブラザーズがなぜ、危機管理コミュニケーション、ダメージコントロールの見地から考えるとありえないほど長い2週間もの間ノーコメントを通したのかはわからない。証券取引の当事者だから何か規制があるのか、クライアントに関わる守秘義務の関係か、或いは同社の戦略なのかは、IRの知識のない私には判断できないのだが、この間広報室の電話は鳴りっぱなしだっただろうし、レポーターの急襲に会いそうな関係者をガードするのも大変だったと思う。でも沈黙。

そしてその間にメディアが牽引して社会に出来上がった「リーマン・ブラザーズ像」というのは、まるっきり“悪役”である。「実際彼らのビジネスはそうだ」という意見もあるだろうし、一部新聞が社説などで書いたように「外資に対する感情的な過剰反応だ」という意見もあるだろう。同社と仕事をしたことがないから、そのどちらなのかは私にはわからない。ここでの主旨はイメージのみである。

この例は、何か事が起こり、憶測が飛び交う中で企業が沈黙していると、どのようにメディアによってイメージが形成されていくかの実証的な一例ではないかと思う。確かに、外資系資本の放送メディア経営権取得があったとすれば、いろんな面で一考を要する問題だと思う。が、それよりも、憶測の域を出ないが、一部メディアは、ライブドア・ホリエモンとニッポン放送・フジテレビの応酬というただでさえ面白い筋書きの中に、一般には良く知られていない(たぶん経済記者以外のメディア関係者にとっても耳慣れなかった)「外資系証券会社」が登場したため、それを“わかりやすい”図式の役回りに仕立て上げることでより話を面白くしたという面はなかっただろうか。わかりやすい図式、わかりやすい話は読者・視聴者のウケがいいものだ。その話の中である役割にはめ込まれると、イメージは勝手に構築されていく。危機管理コミュニケーションではやはり、早いメディア対応がダメージコントロールのカギになるということだろう。

もうひとつは、24日に出されたリーマン・ブラザーズのプレスリリースの文面と、それに対するメディアの反応である。最初にこのプレスリリースの文面を読んだ時には、その文面の平易さ、証券会社のプレスリリースとは思えない“やさしい表現”に目を疑い、呆然としたものだ。

一般的に言って、証券会社の出すプレスリリースというのは専門用語を知らないとわけがわからないものである。一般商品のプレスリリースと違って、専門用語を知っていることが前提のメディアに対して出す性質のものだから、通常“誰にでもわかる”表現をめざす必要はない。

ところがこのリリースは「ライブドア社の資金調達をお手伝い」「外資によるメディア産業への参入を後押し」「ライブドア社の大株主になろうという意図は持っておりません。」と誰にでもわかる表現で、誰にも誤解がないように書かれている。その上、このリリースのタイトルだったCBについても「CBは、資本市場で幅広く使われている資金調達手段です。」と戦略的でありながら丁寧でわかりやすい説明付き。およそ外資系証券会社の通常のプレスリリースからはかけ離れている。

これを読みながら、このたった一段落を書くために表現を練り上げ関係者を調整するのに半日がかりだっただろうか、と想像しつつも、あまりの表現の平易さに、まさかこれがリーマン・ブラザーズ広報の大きな布石になるとは思いもしなかった。ところが、TVメディアも新聞メディアも、上記のように一斉にリーマンのプレスリリースを報道。しかもほぼ発表どおりの表現で報じられている。検証してないが、これは一度メディアの中で悪役イメージをつけられてしまった企業の扱われ方としては、異例の反応と言えるのではないかと思う。

リーマン・ブラザーズ東京の広報部がどこまで状況分析、先を読んでこのリリースを書いたかは何ら推し量る術がないが、この中学生の教科書ばりに“わかりやすい表現”のプレスリリースは、経済紙だけでなく一般メディアがこの状況下のターゲット・オーディエンスであることを充分に意識したものであることは間違いないし、“外資”“冷徹”“合理主義”“支配”“貪欲”“危険”=実はよくわからない、なんだか怖そうな存在、というイメージに対して、“とっつきやすさ”“わかりやすさ”“親しみやすさ”でもってカウンターをかけたということになるだろう。

また、在日外資系証券会社の中でも外国人率が高いといわれる同社が、東京支社にも広報部を持っていたことも、この広報的成功の鍵ではないかと思う。もしリーマン・ブラザーズが広報機能をニューヨーク本社で統括していたとしたら、おそらくこの対応はできなかったと思われる。日本のメディアの傾向、論調、それによって作られた社会の空気、日本人の傾向を分析できる現地スタッフが機能してこそでてきたこのプレスリリースだろう。“Think globally, act locally”と、グローバル戦略の中ではよくいうが、その実践例と言える。

いろんな広報ケースを観察したり分析したりするにつけ、会ってみたい影の立役者はたくさんいるが、リーマン・ブラザーズ東京の、このリリースを執筆した人にもぜひ会って話を聞いてみたいものだ。





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最終更新日  March 2, 2005 03:35:36 PM
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