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April 6, 2005
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カテゴリ:アメリカ私考
4月5日 火曜日


(その1からの続き)

その原因はいくつもある。アメリカ内外でいろんな人がこの事態を分析してきたけど、整理すると以下のようになる。

まず、9・11以降のアメリカは、反戦、反アフガン/イラク政策=反愛国者という図式が形成されてしまい、Spiral of Silence(沈黙の螺旋)現象が生じている。ヒステリックな風潮の中では、物事を対極で語る傾向が強くなるから、愛国者でも反戦でありえるといった論も、特に公の場でヒステリックな白黒論争に打ち消されてしまう。したがって反戦を唱える社会のオピニオン・リーダー層をはじめ一般市民は、まともな議論にならないため沈黙してしまう。ヒステリーが相手では道理は通じない。冗談ではなく命の危険まであるのだから、沈黙が蔓延しても不思議とは言えない。

(大げさに言えば、イチ大学院生にしかすぎない私にしても、日本語だからこうやって好きに書いているが、もし英語でアメリカ人社会の中にあるシステムを使ってブログを書いていたら、恐らくもっとトーンダウンしているor匿名性を高くしていることだろうと思う。私のサイトなど極めて私的なものだから、本サイト・さてらいと版あわせて一日のお客様は250人くらいのものだが、検索エンジンを使えばどこからでもひっかかる。ブログで盛大に反戦を提唱していて、何かの弾みで、日本人留学生である私が書いていることを知ったヒステリックな愛国者に、ある日キャンパス歩いていたら殴られたとか、或いはクルマに乗ったところを撃たれたなんてことになっても、筋書きとしてはさして不思議でもない。私がVIPでないから、余計にそういう危険性がある。例えばマイケル・ムーアを襲ったら、誰がやったのか大騒ぎになるだろうが、私みたいな一般人に何かおこっても取りざたもされないだろう。Patriot Actも問題だが、それよりもっと厄介なのは巷のヒステリックな愛国者の方である。“秘密警察”など存在しなくても、自らその役目を演じたがる人々は社会の中には存在する。その構造は何もアメリカに限ったことではないと思う。随分と大げさな例えを挙げたけれど、そういうことだと思う)

マス・メディアも同様である。反戦・反アフガニスタン/イラク政策をポジティブにフューチャーすれば、盛大なバックラッシュと恐らく何百通・何千通という抗議の電話・メール・手紙を受け取ることになるだろうし、スポンサーがつかなくなる可能性も大いにある。商業メディアなのだから、スポンサーがつかなければ番組そのものが作れない。商業メディアである以上、時流にのっかっている方が手堅いのだ。

したがって、マス・メディアにインプットされる“反戦論調とその論拠”が少ない上に、メディアはそれを取り上げたがらない。それゆえ、反戦をサポートできる裏付け情報は出回っているのだけれど、破片になってあちこちに散発的に出てくるだけで、そのパズルがつなぎ合わされてビッグピクチャーがメディア・アジェンダ、或いはパブリック・アジェンダに上ってくることがない。

さらに別の方向に、この状況をドライブするベクトルが存在する。

上のような要素があっても、このドキュメンタリー映画の監督やMichel Mooreに限らず、すでにたくさんの人々が、ブッシュ政権がなりふり構わず戦争に急ぐメカニズムと背景に気づき、全体像を描いている。いろんな障害があったとしても、ブッシュ政権が持ち出した、イラクの大量破壊兵器説なんかよりは、よっぽど辻褄が合っているそれらの全体像が、なぜ大きなムーブメントを形成するに至らないのか。

いろんなところに飛び散っている破片が一つになることがないよう、社会が反戦=反愛国心という図式を持ちつづけるよう、注意深くマス・メディアを管理或いはコントロールしているのは誰か。

アメリカ憲法の、かの有名な第一条で保護された『言論の自由』だが、この『First Amendment』に唯一勝るのは『Homeland Security』である。2003年、大学院に入って最初の学期でとっていたクラスで、教授がこの点を指摘していた。当時はまだイマイチ良くわからなかったが、今になってその重大性に気づく。『Homeland Security』を盾にとる限り、政権はマス・メディアに対してかなりの管理を及ぼすことができる。少なくとも、世論が『Homeland Security』に気をとられている限りはOKというわけだ。

ドキュメンタリー『Rush to War』は、ショートフィルム『On Alert』と同時上映だった。このフィルムはThe American Film Instituteの学生による修士課程仕上げのフィルムだということだ。失業中の元警備員の男は、毎日マス・メディアの報じる「テロの可能性」「テロの攻撃は今日か?」といった報道をクリップしながら、だんだんそれに取り付かれていく。男の目には、何もかもがテロリストの策略にうつる。男は街の美術館の警備員として再就職したが、忘れ物のバックパックを見つけて、テロだと大騒ぎし、一日で解雇されてしまう。美術館の警備チーフに「そんなことではダメだ。俺達はテロに備えなければならないんだ!」とつめよる彼を振り払うチーフを殴りつけて失神させてしまった男は、チーフを自室に軟禁してしまう。パトカーのサイレンが近づいてくる中で、男は・・・・

On Alert
『On Alert』のワンシーン

・・・というお話。筋書きはありがちなものだが、今のアメリカに重ね合わせると非常におもしろかった。『Rush to War』の中で、誰かが言っていた。「アメリカがより安全になる方法は、よりいいヤツになるしかないんだ」。多くの人がなかなかそれに気づかず、Homeland Securityのかけ声の元に警備レベルを上げ、アメリカに入ってくる人みんなに指紋と写真を要求し、Patriot Actでeメールまで詮索し、上げ下げされるテロ・アラームを見ながら怯えている。

管理・コントロールされるマス・メディアに加えてもう一点。

Social Changeにおいてマス・メディアの果たす役割は大きい。その逆は、Propagandaにおいてもマス・メディアの果たす役割は大きい、ということになる。

3月13日のNew York Timesが『Under Bush, a New Age of Prepackaged TV News』というタイトルで、ブッシュ政権の下で、夥しい数のビデオニュースがマス・メディアに配布され、使われている事をレポートしていた。ビデオリリース自体は目新しい手法ではないし、TV局側も取材の手間隙と経費を浮かせることができるため、結構ビデオリリース映像を使っているという事実についてはいくつも調査結果が出ている。が、政権が莫大な金と労力をつぎ込んでこれをやるというのは話が違ってくる。それで、教育や医療政策のプロモをやるならまだ話はかわいいが、戦争政策のプロモということになると話が違ってくる。

''Thank you, Bush. Thank you, U.S.A.,'' a jubilant Iraqi-American told a camera crew in Kansas City for a segment about reaction to the fall of Baghdad. A second report told of ''another success'' in the Bush administration's ''drive to strengthen aviation security''; the reporter called it ''one of the most remarkable campaigns in aviation history.'' A third segment, broadcast in January, described the administration's determination to open markets for American farmers.

To a viewer, each report looked like any other 90-second segment on the local news. In fact, the federal government produced all three. The report from Kansas City was made by the State Department. The ''reporter'' covering airport safety was actually a public relations professional working under a false name for the Transportation Security Administration. The farming segment was done by the Agriculture Department's office of communications….“ 
From Under Bush, a New Age of Prepackaged News. by David Barstow; Robin Stein. The New York Times, March 13, 2005


(なんちゃって訳:カンザス・シティで、歓喜のイラク・アメリカ人が「ありがとうBush、ありがとうアメリカ!」と、バグダット陥落のニュースに応じてカメラに向かって言う。次のレポートは、ブッシュ政権が航空の安全強化策においてまた新たな快挙を遂げたと報じる。レポーターは「航空史の中で最も素晴らしいキャンペーンだ」という。3つ目は、政権がアメリカ農民のために、市場開放する決定をしたことを報じている。

視聴者にとっては、どれもローカルニュースの90秒枠に見えたかもしれないが、これらはすべて連邦政府によって製作されたものだ。カンザス・シティからのレポートはState Department作。空港警備に関するレポートは、Transportation Security Administrationに雇われたPRのプロが、偽の名前でレポーターになりすまして撮ったもの。農業の話題は、Agriculture Departmentのコミュニケーション部が製作したものだ)

いやぁ、すごいですねー。





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最終更新日  April 7, 2005 11:49:22 AM
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