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カテゴリ:ブック・レビュー
小さい頃に読んだ話で、お気に入りの「狐の話」が3つある。
「ごん狐」、「手袋を買いに」「題名不明」。 最初の2つの著者は、新美南吉(にいみ・なんきち)。 最後の1つの著者は・・・ 多分同じ頃に読んだので、新美南吉かもしれないが、著者と題名がわからない。 7歳か8歳頃の記憶なので、細部が違っているかもしれないが、確かこんな話だった。 -------------------------------------------------------------------- ある雪の夜、猟師が狐を獲るために外出していて留守の時、留守宅に女が訪ねてきた。 妻が出てみると、 女は「ちっちね、おたか?」と訊く。 何のことかわけがわからず、妻が聞き返すとやはり「ちっちね、おたか?」と訊く。 よく見ると、女の着物の後ろから、狐の「しっぽ」がふんわり垂れ下がっていた。 「ああ、そうだったのね・・・」と妻は察して、こう言った。 「夫はまだ帰ってきていません。きっとまだ狐を1匹も獲れないのでしょう。」 女は安心して帰っていった。 「ちっちね、おたか?」=「きつね、とったか?」 遊びに行ったまま帰ってこない子狐を母狐が心配して、狩りで獲られたのかと、 人間に化けて訊きに来たのであった。 ------------------------------------------------------------------- イソップ童話など西洋の話では、狐は狡猾で悪賢いイメージがあるが、この3冊のおかげで、私の狐に対するイメージはとても良い。小さい頃に読んだ話や、聞いたり見たりしたことで、動物やモノや人に対するイメージが、かなり決まるなぁと思う。 西洋の童話や民話よりも、日本の童話や民話の方が、動物が身近で優しいような気がする。もちろん、西洋にだって「長靴を履いた猫」など、動物が活躍する創作童話があるのだが。 でも、この話の題名、何だったかなぁ・・・雪の降る夜に?違うかも。 何だか最近、小さい頃に読んだ童話をもう一度じっくり読んでみたくなった。 童話って、とても暖かい気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.25 11:58:55
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