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Pussy Cat Sophie (子猫ソフィの猫物語)その他

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2019.11.23
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昔学生時代にオーストラリア人女性(オーストラリアの高校で確か数学を教えている先生だった)と一緒にスコットランドを旅行したことがあるが、私はスコットランド英語の発音がほとんど理解できなかった。でも、このオーストラリア女性と一緒にネス湖に急いでタクシーで向かう途中、彼女はスコットランド人のタクシーの運転手さんの話に相槌を打ち、微笑みを浮かべながら、にこやかに話していた。さすが英語のネイティブ!スコットランド英語も完全に理解している!凄い!

後で彼女に聞いてみた。「凄い! 何話してたの? 私、あの運転手さんの英語が全然わからなかった!」と。彼女は困ったように、こう答えた。「あ~、実は私も半分くらいしかわからなかったけど、適当に相槌打って、(話題からずれてなさそうな)無難な質問しといたの・・・」

謙遜かなと思ったが、その数時間後、スコットランドの駅でスコットランド英語の駅員さんのアナウンスを聞いた後、彼女が私に聞いてきた。「今のアナウンス、何て言ってたの?」一瞬絶句した。英語ネイティブの彼女にわからない英語が、日本語ネイティブの私にわかるわけないでしょ・・・

その数年後の上智。英語ネイティブのアメリカ人教授のゼミのクラス(少人数)で、フランス語ネイティブのアフリカ人男性が英語で論文を発表した。長い論文だった。彼は自信満々に朗々と読み上げた。だが、彼が読めば読むほど、クラス全体の雰囲気がずんずん重くなっていった。完全なフランス語発音の英語で、ほとんど誰も理解できなかったのだ。たとえば、environment(環境)という単語、綴り字は英語とフランス語で同じだが、英語の発音はエンヴァイロンメント、フランス語の発音はアンヴィロモンである。フランス語を知らなければ、とてもアンヴィロモンがエンヴァイロンメントのことだとはわからない。

このゼミ、最初のうちは、教授も学生も皆、このフランス語ネイティブによる英語の発表を理解しようとして途中で必死で発表を止め、何を言っているのか聞き返した。でも、答えてもらっても、フランス語発音の英語だったから、やっぱりさっぱりわからなかった。しかも、全ての単語を聞き返すことは礼儀上できなかった。

途中から「こりゃダメだ、全く発表が理解できない、発表内容がわからないから、議論はもちろん質問さえできない・・・」という雰囲気がクラス全体に色濃く立ち込め始め、その絶望感は最後まで続いた。論文発表が終わった直後、しばらくシーンと気まずい沈黙の時間が流れた。それからやっと1人、何とか概要について質問できた学生がいた。フランス語を知っている学生だった。彼だけはフランス語の発音の知識でかろうじてフランス語訛りの英語の発表の概要(おそらく詳細は彼にも不明)を理解できていたのだった。(ちなみに彼の発表中、私が理解できたのは、コムニカシオン(仏語)=コミュニケーション(英語)とコミュニケ(仏語)=コミュニケ(英語)と、仏語と英語の発音がほぼ同じ単語だけだった。)

ただし、その後、教授も他の学生もさっと彼の英語の論文(紙)を回してもらうかコピーしてもらって、タイトルや見出しをパッと見て何とかさっと概要を理解し、それからそれなりの議論をして事なきを得たが、詳細まで把握できなかったので、議論が盛り上がらなかったのは言うまでもない。(今思うと、論文発表が開始された時点で、すぐ論文のコピーを取って読みながら発表を聞くべきだった。)

その数十年後、英語ネイティブのアメリカ人男性が、フランス語ネイティブのフランス人男性と英語でなごやかに話している場面に遭遇した。もっぱらフランス人が英語で話していたが、アメリカ人は本当ににこやかに、「そうだね、そうだね、うんうん、そうだね」などと、英語で相槌を打ちながら微笑んでいた。

でも、私にはそのフランス人の英語の発音が全くわからなかった。何の話をしているのか概要さえ、全くわからなかった。で、そのフランス人が席を立ったあとで、アメリカ人に聞いてみた。「彼、何話してたの?」その若いアメリカ人は肩をすくめてこう答えた。「さぁ、わかんね~!(Well, I don't know!)」

論文発表は議論が必要だったので笑ってごまかせなかったが、他の場合はほとんど、みんな相手を傷つけないよう、その場の雰囲気を壊さないよう、笑ってその場をやりすごしてるね。これは万国共通だった。(笑)





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Last updated  2019.11.23 11:07:00
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