中国語検定(HSK)1級・2級受験と中国語あれこれ
2013年4月から中国語の勉強を開始して、今日(2013年6月16日)、中国語検定HSKの一番簡単な1級と2級を受けてきました。HSKは聴力試験と読解試験で構成されています。1級・2級の読解は、日本で生まれ育って日本語教育を受けた日本人なら、皆さん、ほんの少し勉強すれば、読解試験は満点近く取れるはず。たとえば、「文章と絵」を組み合わせる問題があるのですが、中国語では「天=日」であることが多いと知っていれば、次の組み合わせなんて、間違えようがありません。文章:「昨天 天気、熱了。」(昨日のお天気は暑かった)絵:扇風機で涼む人超初級の1級なんて、読解問題の持ち時間17分のところ、5分で解答終了しました。おそらくHSKの読解問題では、他言語の受験者と比べて、日本人の正答率はかなり高いはずです。おそらく日本人の難点は聴力問題。日本語と中国語では、かなり違う発音がありますから・・・私の場合、読解試験は、過去5年間の過去問題集では1級も2級も満点でしたが、聴力試験は、超初級の1級は過去問で満点近くても、次の段階の2級の過去問では、過去問 第1年度の正答率が60%でした。(まだ地力がない・・・)週1回通っている近くの中国語(入門)講座のテキストのCDを2回聞いただけ、NHKラジオ講座(初級)半年分のCDを1回聞いただけでは、CDとほぼ同じ文章なら聞いてとっさに理解できても、ある単語だけ取り出して別の文章で使用されると、発音に4声などの細かな違いがあるので、聞いてとっさに理解できず、応用ができなかったのでした・・・つまり発音と意味が、頭の中で完全に結びついていなかったのでした。それまで基本的に、発音ではなく、漢字で意味を理解していたのね。それで試験直前の2日間、何とか時間を作って猛勉強しました。2級過去問の1年度のCDを先ず文字なしで聞いて、とっさに理解できない文章を文字を見ながら再度聞く、次にまた文字なしで聞く、また文字を見ながら聞く・・・・これを繰り返して、「この発音はこの文字(漢字とピンイン)でこの意味・・・」と頭に叩き込んで、発音込みで意味を理解するようにしました。各文章とも5回から10回これを繰り返すと、ほぼ頭の中で結びついたかな・・・これを終えて2年度の過去問の聴力問題を解くと、正解率が80&に跳ね上がりました。次に2年度の過去問でも上記の訓練を繰り返して、3年度の過去問の聴力試験を解くと、今度は正当率90%。2日では時間が足りなかったので、試験当日の電車の中で5年目の過去問のCDを聞いていました。その結果、本番の聴力試験の正当率は90%以上だったと思います。私は言語専攻で、しかも仕事が言語なので、言語学習ではかなり効率がいい方ですが、この方法、聴力試験で苦労なさっている方が試される価値はあるかもしれません。でも・・・話はちょっと違いますが、効率というと、中国語ほど効率の良い言語は他にないんじゃないかしら・・・同じAという発音/文字を、4声(4種類のイントネーション)を用いて使い分け、Aだけで4種類の意味を伝えられる。他の言語はいろいろな発音/文字を組み合わせて、いろいろな意味を伝えるのに対して、中国語では、短い発音・単語・時間で、大量の情報を伝えられるわけです。時間当たりの伝達情報量があまりに違う・・・しかも、文法を最小限に抑えて、「概念や意味」をそれを考えた順番や行動した順番、つまり時系列順にぶつけてくる。それで意味が通じる。動詞の活用や格変化などの複雑な文法を持つインド・ヨーロッパ言語と全く異なり、中国語の文法自体は簡単で「最小限」なので、他言語の学習者にとって中国語の文法はとても学びやすい。元々ゲルマン語の英語は、複雑な格変化を持たないフランス系ノルマンディー人にイギリスが征服された時、異言語のフランス人征服者が理解しやすいように、「I, my, me」などのごくわずかな例外を除き、ゲルマンの複雑な格変化をほとんど失って、異民族にとって、それまでよりもかなり簡単な言語になりました。異民族を取り込むにつれ、簡略化されていく文法。私は中国語の歴史は知りませんが、これと同じことが中国語でも起こったのでしょうか?いずれにせよ、異民族を取り込むのに、中国語ほど便利な言語は他にないと思います。私、何とも凄い言語に出くわしてしまった・・・中国語初級者のために中国語をかなりゆっくり話すHSK試験では、中国語は「舌足らずの可愛い女の子」のような響きなのに(しぇんつぁい・かいしぃ=現在開始)、普通の速度では、「ポン!ポン!ポン!ポン!ポ~ン!!!」と、突然元気よくパワフルになる中国語。パワフルなのは、中国料理を教えてくれた中国のおばさま達だけではなかった・・・