300円で自己破壊
陳氏太極拳の傳人として、強く意見せねばならん出来事がありました。ツイッターをうろうろしていたら、以下の書き込みが。先日、太極拳の体験に来た近所の方、近くの地域ケアプラザの一回300円で月二回の太極拳に行くことに三回2,000円のうちの教室より安い! それに何より徒歩5分は近い! これは太刀打ちできないどの流派?楊名時ではなさそう。ちょっと偵察に行ってみようかな年金生活者には安さは魅力なのかと言う内容のツイート。あきれ果てて者も言えない。そこで、この手の教室について、ビシッと意見を出す事にしました。********************************************300円がイイと言う人は300円に行けばよい。間抜けとしか言いようがない。更に、その事にビクビクしてはいけない。その300円の先生は上の許可を取っているのか?おそらく、モグリです。そうでなければ魂胆がある。若しくは文化破壊について気づいていない。 さて。各派各教室への細かいコメントは割愛します。この授業代のみについて意見をします。昨今、ワンコイン太極拳とかを見受け「だったら、動作を抜粋してボランティアでやれよ」と思っています。武術であり健康法であれば、継続性無くしてはただの体験にすぎません。教室は週に1~2回通っても自己練は毎日ね! また、太極拳は文化の一つであり、安売りするものではない。指導員各位のこれまでの修行の内容や自身の授業料はどれだけのモノであったか?日本に太極拳が伝えられる時の事情を知る人は既に少ないと思います。日中国交正常化前に政財界・文化人・教育機関が独自に交流する中でツールの一つとして発表された後、興味を持った数名の人が中国に渡ったり、先生を招聘したりと様々な金銭と時間の努力をして現在の初端を作りました。本来の太極拳は先生の元で鍛錬と口伝を長く受けねばなりませんが、国境を越えての努力はそこまでは難しく、一方でそれに代わる努力が現在です。受け継いだ皆さんは「価値を上げて行く」努力こそ大事です。本来、陳氏太極拳は他の武術との併修はNG。ですが、現在の日本でそこまで突き詰めた成果がどこまで期待できるか?であれば、各教室の指導者と練習者が今自分達に出来る限りの練習と向上心で次の世代に繫げ広げていく努力こそ大事なのです。 断言しますが、一回300円では習うとは言いません。その指導員が身につけた時の授業料は?彼(彼女)は自分の先生や友人達を冒涜していると気づかないのか? 地域の要請でも断るのがスジ。いや、良かれと思ってとか、良いものだからとか、広げたいからとか、そう言う考えであればやらないでもらいたい。そこには責任は一切ない。良い技術ならば胸張ってより良いものとして伝えればよい。安売りしなければ広がらないなら、滅びればよい。 そのくらいの覚悟があって初めて文化と言えるのです。 300円で買ったものには300円の価値しかない。それは完璧に太極拳の価値をぶち壊している。300円で習って、一生懸命自己練するなら、もっと良い習い事をした方が良い。 もしそれを「体験金額」であるなら明記すべきだし、他の内容を加えた時点で金額を買えるならばその教室はお勧めしない。ちなみに、うちの教室の生徒である程度まで進んだ人は他には移らない。先生自身が常に自らの能力を上げる努力を惜しんではいけない。以上