531036 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

体感!JUNKムービー

体感!JUNKムービー

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

ぞううまことり@ Re:映画音楽がやって来た!「日本映画と音楽」特別演奏会(05/26) 舞台の狭さを利用したオーケストラの編成…
ぞううまことり@ Re:『9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019)』~ベストセラーは誰のもの?(05/04) ストーリーの展開を面白くするのは、見る…
ピーターラビラビ@ Re:『ゴジラxコング 新たなる帝国(2024)』~エネルギー、フルチャージ⁉(04/28) ゴジラ映画は、戦っている時が迫力があり…
ピーターラビラビ@ Re:世紀の怪物/タランチュラの襲撃(1955)~あの大スターはどこにいた?(05/21) 虫が巨大化される映画は、過去に何作もあ…
ピーターラビラビ@ Re:『シン・ランペイジ 巨獣大決戦(2020)』~シンの連鎖反応(11/15) 巨大化した蜘蛛とワニが戦うシーンがどう…

Freepage List

June 17, 2006
XML
カテゴリ:カンフー映画
デビッド・チャンはタッグチーム・プレイヤー 
 「激突!少林拳対忍者(1981)」について、ストーリーを理解することは放棄したくなるが、アクション・シーンは感動的だ。命がけのスタントなどといったド派手なアクションではない。鍛練を重ねた格闘技アクションだ。主演は、亜洲影帝デビッド・チャン。70年代、香港ショウ・ブラザーズのスーパー・スターだった。(この作品は「金冠国際電影有限公司」制作です)
 デビッド・チャンは、もう一人のスター、ティ・ロンとの共演でヒット作を連発した。ショウ・ブラザーズの二枚看板、「黄金コンビ」といわれた二人だが、主役はいつもデビッド・チャン。ティ・ロンは、半歩下がったポジションでデビッド・チャンを立てていた。拙著「みんなブルース・リーになりたかった」の中でも書かせていただいたが、この関係は、新日本プロレスの黄金タッグ、アントニオ猪木、坂口征二組の関係に似ている。坂口は人気実力共に兼ね備えながらも、自らはトップに立とうとはせず、猪木をもりたてる立場を貫いた。
 強力な二枚看板は、安定したパワー・バランスにより、1+1が2ではなく、4にも5にもなる。当然、映画やプロレスの試合が、エキサイティングになり、ファンを集めた。
 「激突!少林拳対忍者」は、デビッド・チャンとティ・ロンの黄金コンビが解消された後の映画である。この作品でデビッド・チャンは、夢よもう一度、ティ・ロンに代わる強力なタッグパートナーを求めていた、のではないか。

黄金コンビのシングル・マッチ
 猪木や坂口は、タッグの試合だけでなく、シングル・マッチでも数多くの名勝負を残している。デビッド・チャンとティ・ロンも、単独で主演映画を撮っている。デビッド・チャンの主演作は「ドラゴンVS七人の吸血鬼(1974)」や「激突!螳螂拳(1978)」など。ティ・ロンは「マジック・ブレード(1976)」「書剣恩仇禄(1981)」などなど。単独作品が面白くないわけではない。けれど、黄金コンビは、共演作品の方が、はるかに輝いて見える。
 太陽と月は、同じように空にある。昼間の太陽は、夜の月の存在があって、一層その明るさがわかる。月も、燦々とした太陽とくらべて、落ち着いた光り方を感じることができる。デビッド・チャンは太陽、ティ・ロンは月だ。お互いが、お互いを引き立てる、絶好の存在だった。

今回のパートナーは倉田保昭
 「激突!少林拳対忍者」は、シュウ(デビッド・チャン)と倉田保昭(一匹狼)の話が同時に進行する。
 シュウは、白装束の美剣士、暴漢に襲われた美女を無表情に救う。助けられた美女が執拗に言い寄ってきても、無言で去っていくクール・ガイだ。
 一方の一匹狼と言えば、混浴はするは、伝書鳩は用がすんだら焼き鳥にして食ってしまうは、最強であるのは退屈だから自分を負かす人間を探していると豪語するは、ふざけた野郎である。
 実に対照的な二人。共通点は、武芸に秀でていることだ。
 デビッド・チャンは、敵の剣による攻撃をギリギリのところで、流麗にをかわし、攻撃に転じる。その柔軟な動きに目を見張る。
 倉田保昭は、「帰ってきたドラゴン」などで名勝負を繰り広げたブルース・リャンとの再会をはたす。リターン・マッチで相変わらずの激しいキック合戦を見せる。
 さらに、デビッド・チャン、倉田保昭、ロー・リエという夢の組み合わせによる三つ巴戦が組まれている。めまぐるしく対戦相手が代わり、剣を交える。格闘の職人芸だ。
 傘、扇、車椅子?水上スキー??など、小道具を工夫した格闘アクションの連続だ。(アクションの素晴らしさは容易に列挙できる。けれど、物語の筋を説明することは困難を極める。)
 このシュウと一匹狼の組み合わせこそ、デビッド・チャンが二枚看板路線を狙ったものだ。デビッド・チャンは、ショウ・ブラザーズにおいて二枚看板で映画を面白くし、二枚看板により自分の役どころを際立たせてきた。しかし、ティ・ロンのときのような、二人の相乗効果は生まれなかった。1+1は2にしかならなかった。

ウディ・アレン「アニー・ホール」の場合は
 アルビー(ウディ・アレン)はかつての恋人アニー(ダイアン・キートン)のことが忘れられない。二人は、ロブスター料理を作ろうとして、キッチンで生きたままのロブスターを取り逃がして大騒ぎし、大笑いになった。アルビーは、アニーと別れた後、新しくつきあい始めた女とロブスター料理に挑戦する。やはり生きたロブスターを逃がして大騒ぎし、あのときのように同じ楽しさを味わおうとするが、新しい彼女は全然のってこないばかりか、完全にしらけている。落ち込むアルビー。
 例え、全く同じ場面設定しても、人が変われば、雰囲気は変わってしまう。昔の恋の思い出を違う相手で再現しようとしても、それはできない。
 
二人で一人、二人は二人
 デビッド・チャンとティ・ロンは、美男子コンビだった。彼らが二枚看板として大当たりしたのは、両方とも同じタイプだったからだろう。デビッド・チャンは柔、ティ・ロンは剛なのだけれど、ふたりとも揃ってスマートだ。美男子系でありながら片方のデビッド・チャンが中肉中背、もう一方のティ・ロンが長身。お互いが、お互いを補完する魅力をもっていたのだ。女性から見ると、キリッとした感じに惹かれるけど、優しい雰囲気も捨てがたい、てなことで、お寿司・おそばセットと考えればいいでしょう。つまり、デビッド・チャンとティ・ロンは二人で一人分なのだ。
 対する倉田保昭は、決してまずい顔をしているというわけではない。倉田は、男らしい顔立ちで、「激突!少林拳対忍者」では、野武士を彷佛とさせるワイルドな個性を放っている。だが、デビッド・チャンが貴公子然とした佇まいとは、完全に表裏の関係になってしまった。デビッド・チャンと倉田の組み合わせは、別々の二人でしかないということ。お寿司とカレーライスのセットは、ちょっと売れないね。
 かといって、デビッド・チャンが、同じ美男子系を配役したらよかったかというとそうではない。アルビーがどんなに探しても、アニーと同じような女性は現れなかったように、ティ・ロンも二人とはいないのだ。

※「激突!少林拳対忍者」の日本版DVDはありません。売り出してほしいとは思いますが、出ないでしょう。
※タイトルを見て、常識的に判断すると、デビッド・チャンが少林拳の使い手、日本人の倉田保昭は忍者と解釈できます。けれど、それはちがいます。主要登場人物とタイトルは、対応していません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  June 17, 2006 09:20:04 AM
コメント(3) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X