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August 27, 2006
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カテゴリ:ホラー映画
 列車で旅行をしていたときです。目的の駅に着いたので、デッキに出ました。ところが列車が停止しても、一向にドアが開く様子がないのです。
 発車のベルが鳴り出してしまい、もうほかのドアに行ったとしても間に合わない、と焦っていたら、後ろに並んでいたおばさんが、やれやれといった感じで進み出てきました。なんと手でドアを開け、降りていったのです。さらに数人の乗客が、何ごともなかったかのようにその後に続きました。
 「しゅっ、手動ドア?」と驚いたのは、私ただひとり。
 私の人生の中で、電車の手動ドアを経験したのはこのときだけ。

 問題を解決しようとするとき、一つの方法しかないと思って行き詰まっていると、別の、すっごく簡単な解決方法に気がつかないということが日常的によくあります。(おそらく、誰にでもあるとことだと思いますが、私だけ?)
 
 「予言」では、主人公里見が電話ボックスで新聞を見つける。記事には、その直後に自分の娘が事故死するとあった。驚く里見。妻の綾香と娘の奈々は、車の中で、里見が電話ボックスから出てくるのを待っていた。奈々が降りたいというので、綾香はシートベルトをはずしてやろうとする。ところが、奈々の洋服がフックにからまってはずれない。「パパにはずしてもらいましょう」と綾香が車から出たところに、大型ダンプが突っ込んできて激突。車は炎上し、奈々は一命を落としてしまう。

 クライマックスでは、里見が人生をやりなおすかのように、何度も何度もこの激突の場面がプレイバックします。そのたびに、娘は助かっても、妻が死んでしまうパターンが出てきたりして、いい結果が得られません。けれど、最後には・・・。

 シートベルトのフックがはずれない、ダンプが迫ってくる、危ない(の繰り返し)。
「車を動かせばいいじゃないか?!」(それが「別のすっごく簡単な方法」だ)。
 ダンプの運転手は、心臓発作か何かですでに死んでいるために、暴走しているという設定です。それを里見は知っています。そうしたら、はずれないフックに時間と手間をかけるより、乗用車の方を動かして、ダンプのコースからはずせば、それで事故が避けられるのだけれども。

 「シートベルトがはずれない」ことで緊迫感を出したいのであれば、フックをはずす行為が、必ずそれをしなければならない何かお約束事であるとか儀式である、としておけばよかったのじゃないかな。劇中で、それなりの説明をしなければなりませんが。

 この映画はつのだじろうのマンガ「恐怖新聞」を原作としています。
 「恐怖新聞」は、不幸な未来を予言する恐い新聞です。どんなにがんばっても、その予言通りになってしまうから恐いのです。
 でも、この映画では、何が恐いのかよくわかりません。
・主人公のもとに、過去のトラウマ(娘の死)と結びついている恐怖新聞が送られてくることが恐いのか。(わかるような気がするけれど、直接里見本人に災いする記事はあまりありません)
・恐怖新聞が予言する不幸な未来を回避するよう働きかけると、徐々にその人の実体がなくなっていくことが恐いのか。(実体がなくなっていく人もいたけれど、里見はそちらの方向へは話が進まない。里見が抱える問題は、自分の身を犠牲にして不幸な人を救うかどうかではなく、娘を救えなかったことへの悔恨なのです)
・恐怖新聞が届く人は、予言の記事を書き写さないではいられなくなるのが恐いのか。(ただひたすら書き写してどうしようっていうの?人に知らせるのでもなく。その行為がやめられなくて衰弱死した人も出てきましたが、やはり里見の抱える重要問題ではないですね)
 「リング」のように、ビデオを見た人は一週間で死ぬので、なんとか逃れる方法はないのかということであれば、恐怖の焦点がしぼられやすいでしょう。けれど、「予言」は、役者さんもスタッフも、怖い映画をつくろうとする真摯な姿勢があり、全体に恐い展開の数々はあるものの、ポイントがないのです。残念ながら。

 例えば、列車事故で妻の助手(女性)が亡くなります。弔問客が母親に「お別れに顔を拝ませてください」と願い出る。戸惑い、躊躇する雰囲気を感じさせる母親だが、棺の小窓を開ける。その瞬間、驚く弔問客「顔がない!」。(母親がそんな娘の状態を見せるかな?)
 
 「恐怖新聞」によって列車事故が起こることを知りながら、女性を救えなかった後悔と自責の念が、里見にはあるのでしょう。この後、夢か幽霊かよくわからないのですが、里見の元へくだんの顔のない女性が現れます。
 列車事故だから、顔に悲惨な怪我を負うこともあります。顔だけポッカリなくした女性は確かに恐いのだけれど、恐さを引き立たせるために、とってつけたように顔をなくさないでほしいです
(とりあえず、私はゾーっとしましたが)。
 
 本来「恐怖新聞」が予言した未来にどう対処するかが、「恐怖新聞」のお話のあるべきスジだと思います。けれど、里見の抱える一番の問題は、娘を死なせてしまった過去なのです。だからそこを解決しないと、映画は終わりません。結局未来への時間進行ではなく、過去をどう変えるかの話になってしまいました。
 
 私は、最終的にお父さんの必死のがんばりと家族を思う気持ちが通じて、事故がリセットされて家族に幸せが戻りました、という解決方法をも予言したのですが、別の解決方法だったので、やれやれです。
 





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Last updated  August 27, 2006 08:13:02 AM
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