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January 8, 2007
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カテゴリ:SF映画
 「ロボット3原則(人間に危害を加えない、人間の命令に服従する、前の2条に反しない限り、自己を守る)」は、「鉄腕アトム」でお目にかかった。そのときは子供だったからか、ロボット自身を規制する法律のようなとらえ方をしていた。鉄腕アトムのようなロボットは、自主性を備えている。と同時に、人間を上回る力ももっているわけだ。だから、人間に逆らったりした場合は、罪になるというそんな解釈をしていた。
 今回「アイ、ロボット」を見て、「ロボット3原則」とは、人間側がロボットを作る際に、人間にとって都合がいいようにプログラムすることなのだとわかった。知的に高性能のロボットを作る場合は、必ず人間に服従するように設定しないと、人間の管理下にはおけないのだ。
ロボットは、すべてプログラムによって作動する。受け答えできる会話は、言語の数をいくつ組み込んであるかで決まる。笑う、泣くなどの感情的な反応も人間をモデルにしていろいろな場合のサンプルをとり、それをデータとしてインプットしてやればその分についてはできるだろう。
 ファンタジー映画の「アルゴ探検隊の冒険(1963)」。水と食糧を補給するために立ち寄った「ブロンズ島」で、メンバーは青銅の巨人タロスに遭遇する。普段は、台座の上でポーズをとる単なる銅像なのだが、探検隊が宝物を盗み出したことで動き出す。タロスは、ドロボーに反応し、撃退するようプログラムされていたと考えられる。タロスには、「ロボット三原則」が適用されていない。神話時代の動力エネルギーが何か、マイクロチップのコンピュータが埋め込まれていたのかどうかは不明だが。
 「アイ、ロボット」では、ロボットが、事故によって水中に沈んだ車から人を救い出す。このとき、12歳の少女と成人の男子が車内にいた。ロボットは、助かる確率を計算して、可能性が大きい成人男子を助ける。これなども、そのようにプログラムされていたわけだ。
 人命救助という人道的な行為でありながら、優先順位はあくまで機械的だ。とはいっても、プログラムの中に、年少者から救助すると組み込んでおけばいいわけだ。だから、全然ロボットの責任ではない。ロボットの融通がきかないというのではなく、人間の見通しがあまかったわけだ。
 全てはプログラム通りなのだから、人を殺すように組み込まれたロボットはそうするだろう。SONYの“AIBO”の動作を見て、「かっわいーい!」とのたまう各年齢層のご婦人方がいらっしゃる。“AIBO”の動作は、人間に受けるようにプログラムされているだけです。そういうとミもフタもないか。
 人間の行動も、プログラムされるものといえる。子供たちが素直な心、よい習慣を身につけていくのは、親や周囲の人々がほめたり認めたりすることで、プログラムが組み込まれていくのだ。そのような子供たちの行動を見て、大人は「かわいい」と感じるだろう。けれど、人間は人間同士のやりとり、相互作用、コミュニケーションで学習する。あらかじめ決まり切ったプログラムが組み入れられているわけではない。

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Last updated  January 8, 2007 06:41:31 AM
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