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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ヒロインアクション
闘う女。病気と闘う、社会と闘うなどの意味ではありません。
闘う女と言えば、女子プロレスラー。昭和40年代頃、新聞のテレビ欄に初めて女子プロレスの番組を発見したときは、とても恐かった。しかも対戦カードは、巴ゆき子対ミスZ(覆面レスラー)の“デスマッチ”!恐さのボルテージが×4に跳ね上がり、ドキドキしながらチャンネルを合わせました(恐いけど、それでも見てしまう子供でした)。 何せ、女子柔道もなかった時代。マラソンだって、アべべ、円谷など男子だけのもの。女性はおしとやかというのが通り相場。女だてらに、ケンカまがいのプロレスをするなんて、タブーに近い感覚があった。殴ったり、殴られたり、蹴ったり、蹴られたり、か弱い女性がそんなことに耐えられるだろうか、とても心配でした。実際に見てみると、凄惨、残酷なイメージはありませんでした。普通にプロレスの試合として見られました(巴ゆき子さんは、男っぽい雰囲気でした)。 その頃の女子プロレスは、“女版”プロレスだったと思います。つまり本来男がやるものであるはずのプロレスを女がやるというもの。名称からしてそうでしょ。男子の方はあらためて“男子”プロレスとは断らないのに、女性の方は“女子”プロレスと頭につくわけです。キワモノ的だったといえるでしょう。 その後、女子プロレスは、マッハ文朱、ビューティー・ペア、クラッシュ・ギャルズなどが、同性である女の子達からアイドルとして人気を集めました。さらに、全日本女子プロレスのメンバーが、男子のユニーバーサル・プロレスに定期的に参加したことで、ミーハー(失礼。もしかして死語?)の女の子から一般のプロレス・ファンに、女子プロレスの面白さが伝わりました。 ユニバでは、アジャ・コングやバイソン木村といった典型的な悪役に対して、これまた善玉の固まりのような豊田真奈美がらみの試合が行われました。豊田は飛翔天女と呼ばれるように華麗な空中殺法と柔軟な体躯を生かした技の切れが美事でした。そこに展開したのは、女性にしかできないプロレスなのです。それを契機に、女子プロレスの会場に男性のプロレスファンが集まりました。“女版”プロレスから、脱出したのです。 映画の世界でも“女版”はありました。「めくらのお市」シリーズ(1969~70)、「女左膳」シリーズ(1937~69)、「女必殺拳」シリーズ(1974~1975)など。しかし、不良少女が暗殺者に育てられる「ニキータ(1990)」以後現在に続く闘う女の作品群は、“女版”ではなく、まさに華麗なる“ヒロイン・アクション映画”の世界。今や「トゥームレイダー」シリーズ(2001~2003)、「バイオハザード」シリーズ(2002~2004)、「アンダーワールド」シリーズ(2003~2006)など、ヒロイン・アクションは花盛り。女性が拳銃を握り、ハイキックなどのカンフー系の技を繰り出す姿はじつに美しい。 かつては、女性が主人公のアクション映画でも、屈強な男性の助けを借りるというパターンが目立ちました。けれど暗殺者夫婦が互いにバトルを繰り広げる「Mr.&Mrs.スミス(2005)」では、まさに五分と五分。誰の助けもいりません。夫役のブラッド・ピットが余裕かまして「カモン」と手招きしても、反対に妻役のアンジェリーナ・ジョリーからボコボコにされていました。 「ダークブレイド(2005)」なんて作品も、パッケージの写真はガンを持ってポーズを決めた女性だから、ヒロイン・アクションにしか見えませんでした。喜んで本編を見てみたら、内容は全然ちがいました。ガンを持った女の人なんか、主役級から通行人に至るまで、まるっきり出てこなかったぞ!明らかに便乗商法だね。その手に引っかかってしまった私。情けない。それくらいヒロイン系は、商売になるってことですか。 さて香港映画「クローサー」です。冒頭スー・チー扮する殺し屋の女性が、妹(ヴィッキー・チャオ)と協力して、大企業の社長を暗殺する。ガン・アクションともにコンピュータによる誘導で危機を脱するなど、スリリングな展開です。そして、彼女たちを追うのも、凄腕の女性刑事(カレン・モク)だ。 映画の売りは“スタイリッシュでビューティーなアクション&サスペンス”だとか。そのためか、映像が少女マンガを思わせます。私、少女マンガの細い線、ソフトフォーカスの絵柄がダメなんです。目が受け付けません。やっぱりアクション映画は「男たちの挽歌(1986)」みたいなくっきりした線で描かれた骨太映像がいいなぁ。 と思っていたら、クライマックスに至る銃撃戦は大迫力!お見逸れしました。 ただ、まあこれは好みの問題だろうと思うのですが、主演グループのスー・チー、カレン・モクって、ビューティーですか?スー・チーは目が離れているし、カレン・モクってオランウータン系じゃないでしょうか(ファンの人、ごめんなさい)。その二人も、スタイリッシュであることを認めるのは全然やぶさかではありません。白い衣装で翔け回るところは、鳥のようです、殺し屋とは、黒ずくめと決まっていたことから考えるといささか目立ちますが。 少林サッカー(2001)に出ていたヴィッキー・チャオは、私も、十二分にビューティーだと思います(プロモーションに来日した映像では、スー・チーとカレン・モクがまばゆく輝いていました。反対にヴィッキー・チャオが意外にモサッとして見えました。なぜでしょう)。 敵側のボディガード役で、倉田保昭が出演しています。70年代カンフー映画大ブームの頃の主役級はみんな第一線を退いているのに、その頃から敵役をやってきた日本人の倉田が、未だに香港映画界でがんばっているのは凄いの一言! この映画では、拳銃がクローズアップ画面に登場し、ベレッタ92F、グロック18Cなどが識別できました。野山で、草花や蝶の種類が瞬時に分かる人がいますが、私は、拳銃がスクリーンを掠めただけで、その種類を見分けられるようになりたいと思うのです。 毎週日曜日の朝には必ず更新しています。つぎも読んでくれたら嬉しいです。 人気blogランキングに参加中。クリックしてください。 ご協力、よろしくお願いします。 みんなブルース・リーになりたかった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 22, 2007 08:15:27 AM
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