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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ドラマ
万能リモコンを手に入れたマイケル。そのリモコンは、ビデオのように時間の流れを止めたり、早送りしたり、巻き戻したりできるのだった。
「もしも昨日が選べたら(2006)」 監督:フランク・コラチ 出演:マイケル:アダム・サンドラー ドナ:ケイト・ベッキンセール 建築士のマイケル・ニューマンは、完璧な仕事人間、という設定。 家庭には、美しい妻と可愛い息子、娘がいるのに、マイケルは、家族と楽しい時間をすごす約束を忘れて、いつも仕事優先。 リビングルームのテーブルには、各種のリモコンが置いてある。TVを見ようとしても、扇風機が回ったり、ガレージのドアが開いてしまったり。一体どのリモコンを使っていいんだ!?。そこで彼は、各種電化製品を1個で操れる多機能リモコンを買いに行く。 ところが、手に入れたのは、人生の早送り巻き戻しができる万能リモコン。アダムは、家族と過ごすシーンや日常の雑事にかけるシーンなど、面倒な場面をキュルキュルキュルと早送りして、仕事に集中しようとする。その結果・・・。 マイケルとしては、この仕事が終わったら家族とすごす、ここまで出世したら・・・、と思っているのだけれども、仕事は次々の舞い込む。 このリモコンが象徴的だね。テレビ、エアコン、ビデオなど、それぞれにリモコンがあるのだけど、不便だから1個にまとめちゃおうってわけだ。同じように、仕事の場面、余暇の場面、日常生活の場面とそれぞれ分けて考えるべきところを、仕事オンリーの人生にしてしまったのだ。 このお話は、科学時代の「クリスマス・キャロル(チャールズ・ディケンズ作)」です。マイケルは、スクルージということになる。 本来お金儲けや仕事とは、生活の糧を得る手段のはず。しかし、スクルージもマイケルも、お金を稼ぐことまたは仕事することが目的になってしまっている。そうすると、家族との生活、人間らしく生きることができなくなってしまう。これがワーカホリック、仕事中毒、仕事への依存症だ。 たとえば、一日の仕事を終えて、リラックスして一杯飲むと。疲れを取って、明日への活力になる。ところが、アルコール依存症になると、浴びるように飲むわけだから、酒を買うために働くことになってしまう。手段と目的の逆転現象が起きる。 依存症あるいは嗜癖行動は、はまってしまうこと、またははまりすぎてしまうことだ。嫌なことがあると、酒を飲んで忘れる。たまにはそれもいいでしょう。これが習慣化すると、酒に逃げることになっちゃうんだな。仕事も同じで、ほかのことを考えたくないからのめり込んでしまう。 アルコールとかギャンブルとかにはまりすぎることは、傍目にもよくないことだとわかる。しかし、一見熱心だと見られること-仕事熱心!-だとか、面倒を見すぎる奥さん、お母さん-教育熱心-にも依存や嗜癖が入っている場合がある。 お母さんが、お子さんに対して世話をやきすぎて支配的になると、本来は子供を自立させるための手段である教育が、自己目的化してしまいます。主客転倒たぁこのことだ。 この豊かで平和な時代、ものや時間があるから依存症になってしまう。なければなりたくてもなれません。仕事だって、コピー機やPC、携帯電話などがなければ、手間暇がかかっていては、仕事に限界ができてきます。依存の対象にはなりません。 そのことをふまえて、人間らしく生きることを考え直すのが、この映画のテーマだ。何事も、やりすぎはよくない。 しかし、我々は実際に忙しいし、やることがいっぱいある。それに、なかなか思うように事が運ばない。もし、万能リモコンがあったなら、使いたくなっちゃうよね。そうすると、快適。煩わしさが解消される。この快適がくせもの。はまっちゃうんだよな。 人間は問題にぶつかる。豊かさがストレスを産むこの時代を生きていくのは大変だ。自分なりのペース配分やコントロールをしなくちゃね。 忙しいマイケルは、時間を早送りするだけではない。奥さんから「あのときの・・・」と言われても忘れているので、時間を巻き戻して過去の場面を覗き、「ああ、あれね」と調子を合わせる。 私自身も時間を巻き戻したいことはある。 あの日に帰りたい。 時間を遡ることはできないのがもどかしい。 でも、万能リモコンなんか存在しないから、自分で問題を解決するしかない。 困難さが増してきたときに、諦めて途中で投げ出したくなる。 もうここまでだ、終わりだ、と思ってしまろ。 そんなとき 「なにもかもうまくいかない。どうにもならない」と決めつけてはいないか。 「自分が臆病で、いつも人に迷惑をかけてばかりいる」なんて思ってはいないか。 行動することが、悪い結果ばかりになると考えていないだろうか。 それは、私も同じ。今まで、自分がやろうと思ったことがスムーズにいったことがないから、そう決めつけてしまいます。 悲観的、否定的な物の見方をしてしまいます。 でも、何かに「生かされている」と捉えるのではなく、自分で「生きていく」ようにしたい。私も、それが難しい。けれど、ひとつひとつ自分の課題として解決していきたい。 物事は、見方を変えれば解釈も違う。見る立場によって、善悪だって変わってくる。他人の見方がいつも正しいわけではない。他人が主役で、自分は脇役、ではなくて、自分の人生は自分が主役というようにストーリーを組み替えていきましょう、少しずつ。 人気blogランキングに参加中。クリックしてね。 ご協力、よろしくお願いします。 みんなブルース・リーになりたかった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 26, 2007 09:08:24 AM
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