530766 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

体感!JUNKムービー

体感!JUNKムービー

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

ぞううまことり@ Re:映画音楽がやって来た!「日本映画と音楽」特別演奏会(05/26) 舞台の狭さを利用したオーケストラの編成…
ぞううまことり@ Re:『9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019)』~ベストセラーは誰のもの?(05/04) ストーリーの展開を面白くするのは、見る…
ピーターラビラビ@ Re:『ゴジラxコング 新たなる帝国(2024)』~エネルギー、フルチャージ⁉(04/28) ゴジラ映画は、戦っている時が迫力があり…
ピーターラビラビ@ Re:世紀の怪物/タランチュラの襲撃(1955)~あの大スターはどこにいた?(05/21) 虫が巨大化される映画は、過去に何作もあ…
ピーターラビラビ@ Re:『シン・ランペイジ 巨獣大決戦(2020)』~シンの連鎖反応(11/15) 巨大化した蜘蛛とワニが戦うシーンがどう…

Freepage List

May 24, 2015
XML
カテゴリ:ドラマ

 ロバート・アルドリッチ監督は、アメリカン・フットボールを題材とした『ロンゲスト・ヤード(1974)』を見て、大ファンになった。
 だから、女子プロレスを扱ったこの『カルフォルニア・ドールズ』も、公開時に大いなる期待感をもって見た。

 本国アメリカでの公開は1981年。
 日本の女子プロレス界では、ビューティー・ペアのブームとクラッシュ・ギャルズの熱狂の、ちょうどはざまの時期にあたる。
 この期間の全女(全日本女子プロレス)を支えたのが、ジャガー横田、デビル雅美、そしてアイドルから女子プロレスラーに転向したミミ萩原だった。
 映画の中で、ミミ萩原はジャンボ堀と組んで「ゲイシャ・ガールズ」としてカリフォルニア・ドールズと対戦している。

 当時のミミ萩原の得意技は、ビーナス固めだった。
 プロレス技といえば、監獄固めとか魔神風車固め、サソリ固めといったいかついネーミングが多い。
 あるいは4の字固めとか卍固めとか、無機質な響きのものも多数ある。
 その中で、ビーナス固めってどうなんだ、と思った。

 ちなみに、日本プロレス時代の若きアントニオ猪木が、その頃はまだ珍しかったマイクアピールで「あの野郎、つぎの試合では、まんのじ固めでやっつけてやりますよ」と言ったことがあった。
 慣れないマイクアピールで、思わず卍固めと4の字固めを混同したのだろう。
 卍固めは、別名アントニオ・スペシャルといわれたんだけどね。

 さて、『カルフォルニア・ドールズ』である。
 どさまわりの女子プロレス・タッグチームとマネージャーのロードムービーだ。
 マネージャー役を、刑事コロンボのピーター・フォークが演じた。

 日本の女子プロレスは、全日本女子プロレスとかジャパン・女子プロレスのように、女子だけ団体で試合を行っている場合が多い。しかし、アメリカでは、男子プロレスの添え物のような扱いである(映画では、男子プロレスと一緒の場面はなかったが)。
 また、この映画が公開されたころは、男子のプロレスラーも、自分であるいはマネージャーが、アメリカ各地のプロモーターと交渉、契約して試合をして歩くことが一般的だった。

 人気が出れば、一カ所に一定期間定着できる。
 または、地元レスラーとしてスター扱いされればチャンピオンになれる。
 そうでなければ、使ってくれるテリトリーを渡り歩く、アメリカのプロレスラーは、そんななりわいだった。

 日本では、男子も女子も、プロレスラーは団体の所属となる。
 外国人レスラーもシリーズ契約となる。
 そして、地方巡業での移動も宿泊場所も、団体が一括して面倒を見てくれる。

 しかし、当時のアメリカ・プロレス界では、下っ端レスラーは全部自分でやらなかればならなかっった。
 ちょっとでもいい条件、好待遇で試合がしたいから、カルフォルニア・ドールズも、ピーター・フォークが地方のプロモーターに猛烈な売り込みをかける。
 ファイトマネーの他には交通費も、宿泊費も出ない。ときにはタオルの洗濯代などといってピンハネもされるから、取り分に関して丁々発止とやりあうことになる。

 さらに、不本意な泥レスの試合をやらされたり、試合を組んでもらうためにプロモーターの言いなりになったり。
 カルフォルニア・ドールズの二人は、ほかの仕事をやりたくても学歴がない。彼女らに備わっているのは、女子プロレスというタフな世界の中では珍しい美貌だけだ。

 そういうどさ回りの悲哀を乗り越えて、彼女らは一流ホテル(リノのMGMホテル)でのタイトルマッチのチャンスをつかむ。

 この映画の中で、女子プロレスは、真剣勝負として扱われている。
 タイトルマッチは、レフェリーがプロモーターに買収されて、不透明な展開になるものの、闘っている女子レスラー同士は、きちんと勝ち負けを競っている。

 とはいうものの、例えば『ロッキー(1976)』のような、あるいは『ミリオンダラー・ベイビー(2000)』のようなハードトレーニングのシーンはない。
 カルフォルニア・ドールズの3人組が必要なのは、フィジカルな強さではない。メンタルな強さ、夢見る力を決して失わないことなのだ。

 クライマックスのタッグ・タイトルマッチ、カルフォルニア・ドールズは満を持して、ここぞという場面で、スペシャル・ホールドを繰り出す。

 そのスペシャル・ホールドこそ、日本のゲイシャ・ガールズとの試合で彼女らが使った「ローリング・クラッチホールド」だった。カルフォルニア・ドールズは、対戦相手のトレド・タイガースの二人に、ロープ越しのローリング・クラッチホールドを同時に決めたのだ!

 しかし、この「ローリング・クラッチホールド」、日本語字幕では「回転逆エビ固め」となっていた。いくらカルフォルニア・ドールズでも、そんな現実離れした技はできません。正確には「回転エビ固め」です。


人気ブログランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 24, 2015 09:34:45 PM
コメント(1) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X