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November 4, 2007
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東シナ海のある島で毎年開催される世界最強決定格闘トーナメント「デッド・オア・アライブ(=DOA)」。今年の大会に招かれたのは、忍者のかすみ、女子プロレスラー、ティナ、殺し屋&強盗のクリスティー。しかし格闘トーナメントの裏には、恐るべき計画が・・・。

「DOA/デッド オア アライブ(2006)」

監督:コーリー・ユン
出演:かすみ:デヴォン青木
   ティナ役:ジェイミー・プレスリー
クリスティー:ホリー・ヴァランス
  ハヤブサ役:ケイン・コスギ
  あやね役:ナターシャ・マルテ
  エレナ役:サラ・カーター

 島で行われる格闘技トーナメント、そして主催者が企てる国際的陰謀。この設定は、お馴染み「燃えよドラゴン(1973)」からもってきていますね。デジタル時代の「燃えよドラゴン」か。格闘シーンには、CGIがほどよくミックスされています。
 「燃えよドラゴン」は、男ばかりの闘いでした。ところが「DOA」は、男女混合戦です。
映画の売りは、格闘技に秀でた美女軍団みたいだから、女性が活躍することに異論はまったくありません。女性が勝ち残ってもいいです。けれど、説得力のある勝ち方をしてほしいなあ。なんか男の格闘家は、筋肉バカみたいなのばっかりです。もうちょっと魔裟斗のような鋭い格闘家を出せば、スリリングなバトルになったと思うのですが。
 といっても、主催者の目的は、バイオテクノロジーで才能ある格闘技者の遺伝子データー(?)を盗むこと。特殊なサングラスをすることで、そのデータを他者が自分のものとすることができるらしい。個々人の筋肉の強さや柔軟性など体の特徴が異なるのに、格闘技術だけをコピーできるものかね。それはさておき、目的がそこになるから、格闘トーナメント自体はどうでもよかったのだと読み取れますね。だから、男の格闘家は情けなかったというわけか。
 まあ、ケイン・コスギとか、強い男の人もいることはいます。この人たちは、善玉なので、格闘美女軍団とは闘いません。

 ケイン・コスギ、「殺された兄の秘密を探る」といって、真正面から敵基地に挑んでいきます。見張りを続々と倒していくんだけど、そんなことしてたら疲れて目的地に辿り着けないでしょう。「燃えよドラゴン」のブルース・リーは、闇に紛れて侵入しましたよ。それでも見つかってしまって、仕方なく大乱闘になってしまいました。無謀と慎重、この違いは映画の深見にかかわります。闘いの果てにケイン・コスギは、通路で行く手も戻る道にもシャッターが降りてきて、閉じこめられます。ここは、ブルース・リーの場合と同じでした。

 この映画は、展開はスピーディです。でも、一本調子で流れているのじゃないかな。まず、ストーリーの軸となるものがつかみにくい。格闘トーナメントにあるのか、陰謀の阻止なのか、行方不明の兄の探索なのか、そこらへんがボヤッとしています。だから、見ている方は、どこにゴールをもっていけばいいのか、困ってしまいます。
 そして、主人公に同化するポイントがうまく見つかりません。物語に入り込むためには、登場人物の性格に興味を引かれたり、その人が抱えている問題を共有したりする必要があります。この映画では、恋人を探す女忍者、真の強さを求める女子プロレスラー、警察に追われる女強盗などが出てきます。しかし、それらの個人的な事情がその後の展開の中であんまり生きてこないんだすね。
 「燃えよドラゴン」でも、妹の復讐、借金取りに追われる、警察をぶちのめしてしまった、などそれぞれの登場人物に因縁や過去がありました。そういったものが、ストーリーやキャラクターにもからんでいたので、物語に入っていけました。
 この「DOA」は、もともとはビデオゲームだとのこと。ゲームであるならば、キャラクターを自分で動かすので、そこで同化できるものがあるのかもしれません。でも、映画は観客に働きかけるものですから、美女軍団の格闘技戦を見せるだけにしたって、ゲームとは異なる工夫が必要です。

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Last updated  November 4, 2007 06:53:48 AM
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