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March 23, 2008
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カテゴリ:ドラマ
人生の課題に直面した女性が、その解決に務め、生き方を見直す物語です。

 ケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、マンハッタンの高級レストラン“ブリーカー22”でマスター・シェフ(料理長)をしています。
 マスター・シェフというと、男性が多いような気がしますがどうなのでしょう。
いずれにしても、ケイトが優秀な料理人であることにはまちがいありません。彼女の中には、完璧な料理というものがあって、それを作り上げるためには、努力を惜しみません。
 ただ、職人気質というのか芸術家肌なのか、完璧主義者ゆえに融通がきかないところがあります。ごく希に、客が料理にクレームをつけると、ガツンと言い返してしまう。オーナーのポーラは「客が食べたいと思う味付けをするのも、料理人の仕事」と言いますが、ケイトは耳を貸しません。彼女の作る料理は、確かにおいしいのだけれども、自分にとって納得のいく料理をめざしているらしい。自分がおいしいと思えば、それが客にとってもおいしいはずだ、といった“自分主義”みたいです。
 そんなケイトに、ポーラはセラピーを受けることを命じます。いやいや受診するケイトは、セラピストにも新作料理の試作品を食べさせて、感想を求めるという仕事人間ぶりを見せます。

 ケイトがこれほどまでに料理作りに打ち込むのは、自分の存在証明をするためだとわかります。彼女の人生から料理を取ったら何も残らないでしょう。朝早くから市場に出かけて、よりよい食材を探すことから始まり、メニューの研究、そしてレストレンでの調理と、毎日が料理尽くめの生活です。
 本人にとっては、好きなことで生活を埋め尽くし、才能を発揮して、成果を得られるのですから、確かに満足でしょう。それ以外の面倒なことはしなくていいのですから。

 ケイトにとっては、そんな料理一筋の生活を送ることができればよかったのでしょうが、なかなかそういうわけにはいきません。料理以外の問題に直面してしまいます。
 
 ひとつめは、姉が突然に他界し、小学生の姪ゾーイを引き取ることになります。ゾーイは、母を失った悲しみとおそらく元来の気質から、ケイトに心を開きません。心配なことに、ケイトの心づくしの料理を全く食べず、何日も、そんな状態が続いてしまいます。決してゾーイを厄介者扱いすることはなく、心をくだいて愛情をかけるケイトです。ところが、子供のゾーイ相手に食べさせようとしたのが、アマダイを使ったフランス料理だったりするところが感覚ズレズレですね。

 ふたつめの問題は、新たにスー・シェフ(副料理長)として入ってきたニックの存在です。ケイトにとって厨房は、聖域です。ところが、ニックは、ラジカセで音楽を鳴らすは、ジョークを連発するはで、とても気に障る。
 料理道を極めようとするかのような孤高のケイトと、陽気に人生を楽しみながらおいしいものを追い求めるニック、正反対の二人です。でも、ニックは「ケイトと一緒に働きたくて、この店にやってきた」と言います。

 ケイトにとっては、ゾーイもニックも、自分の世界に馴染まない人間なわけです。しかし、ゾーイは肉親で、ひとりぼっちです。なんとかゾーイと打ち解けたいと、あの手この手で頑張ります。ある日、自分の厨房にゾーイを連れていきました。そうしたら、何も食べず心閉ざしていたゾーイが、はなんとニックの作ったスパゲティを食べ、仲良しになるではありませんか。それをきっかけに、ケイトはニックのことを見直し、だんだんと絆が深まっていきます。
一度にケイトのすべてが変わることはありません。様々な問題が湧き出てきます。それを解決しながら、ケイトは、今までの人生で未体験だったものに覚醒していきます。本気で男の人を必要とするとか。

 問題にぶちあたったケイトは言います「人生にもレシピがあればいいのに」と。
 ケイトの作る料理は、レシピ通りに完璧なものだったのでしょう。でも、人生の問題解決にレシピはありません。どんな問題がつきつけられるかわからないからです。
 何よりも、料理は、人に食べてもらうもの。レシピ通りに作ることよりも、相手が「おいしい」と言ってこそ、味が出ます。

 ケイト役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、「マスク・オブ・ゾロ(1998)」を見て、こんな美しい女性が世の中にいるのかと思いました。彼女は、まばゆいばかりに光り輝いていました。スクリーンに映っている虚像にもかかわらず、見つめるこちらが気恥ずかしくなったくらい。
 それから10年、「幸せのレシピ」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、ゾーイの(きれいな)おばさんを実感させるものがありました。この世のものとなったのです。じっくり表情や演技を観賞することができました。
 こういった変化を“いぶし銀”というのでしょうか。まぶしさは薄れたけれど、ただ容姿だけではない、演技者としての落ち着いた美しさを味わいました。
 もしかして、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが単独で映画の主演を務めるのは、今回が初めてではないでしょうか。

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Last updated  March 23, 2008 06:12:35 AM
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